椨木 たぶのき           別名 イヌグス・タブ・タマグス・ダマ・ダモ・クスダモ
       
漢字について 
 国字 木+府 府は蔵。ものを蓄えておくところ。 
 語源は、朝鮮語の丸木船(ton-bai)を作る木という意味。tonbaiが訛(なま)ってtabuになった。中国名は、『紅楠』。 

材について
クスノキ科タブノキ属の常緑広葉樹        高さ15m直径1m気乾比重0.55-0.77
 辺材と心材の境界は明瞭で、辺材は灰白色、心材は紅褐色である。散孔材。材の赤みが強いものをアカタブ、赤みが少ないものをシロタブと呼び、アカタブの方が良質材とされる。肌目は粗く、木理は交錯(こうさく)する。腐りやすい。
 家具材・装飾器具材・床板・造作材・内装材・餅つきの臼(うす)・枕木・ベニヤ板などに使われる。 

その他
 葉・材に精油を含み芳香がある。葉は蚊取り線香に、樹皮は黄八丈など黄色・鳶色(とびいろ)の染料として用いられる。また、樹皮には水と混ぜると粘液を生ずる成分が含まれ、昔から「たぶ皮」と呼ばれ、線香や練香の粘料(ねんりょう)として使われた。

製作中の独り言
 重い割には硬くなく、彫りやすい木である。クスノキの仲間だが、クスノキほどの芳香はない。
 
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