栴檀 せんだん           別名 オウチ    
             
漢字について 
 もともとはアフチ・オウチ『楝』と呼ばれていたが、平安時代に獄門の前に植えられ、罪人の首をかけられたことから忌(い)み嫌われ、『樗』(役に立たないもの)があてられた。『楝』は、形声 木+柬(かん) 柬はふくろの中に選ばれた物のある形。球形の実がたくさん付くことに由来する「千玉(せんだま)」、「千団子(せんだんご)」が、千団子祭りへの連想から栴檀講(せんだんこう)に変化して栴檀という名前ができたため、本来の栴檀(白檀)と混乱がある。中国でも「栴檀」ばビャクダンを指し、センダンは『楝・楝樹』という。 
 オウチの語源は、アハフジ(淡藤)の変化とも、アフチ(煽風)、吹き上げる風からともいわれる。

材について
 センダン科センダン属の落葉高木     高さ30m 直径1m 気乾比重 0.55-0.65
 辺材は狭く黄白色、心材は淡い黄褐色で辺心材の境界は明瞭。環孔材。木肌は粗(あら)いが加工性は良い。含水率と保水力が高いので、乾燥はしにくく、製材すると狂いが大きい。ケヤキ・キリの模擬材にする。建築用装飾材、家具、木魚、琵琶の胴、下駄などに用いられる。

その他  
 「栴檀は双葉より香し」の栴檀はビャクダン(白檀)のこと。
 条虫・回虫の駆除薬として、熟果果肉から苦楝子を作る。

製作中の独り言
 真ん中の点をハの字にして悲しい感じの字にするか、丸くしてかわいらしくするかで悩んだ末、結局丸くした。実の丸い感じが出てると思う。広島で街路樹に植えてあるのを見たことがある。そのときはたくさん実がなっていた。柾目材なので、木目が今ひとつわからないが、確かにケヤキによく似ていて彫りやすかった。
 
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刻字画像



立木画像1



立木画像2



染色画像