令法 りょうぶ        別名 ハタツモリ・サルスベリ
         
漢字について 
 語源は、白い花穂を白竜のしっぽに見立てたもの。リョウビ(竜尾)がリョウブに変化した。中国名は『山柳』『華東山柳』。

材について
リョウブ科リョウブ属の落葉広葉樹         高さ10m直径0.3m気乾比重0.74
 辺材は帯黄褐色心材は赤褐色の散孔材。重硬でねばりが強く緻密なので、背負子(しょいこ)や杵、農具の柄にする。また皮付きのまま床柱に使われる。浅炭としては最良の木炭になる。

その他
 春の若葉はゆでてあく出しをしてから食用にされる。若い葉を飯に炊き込む令法飯(りょうぶめし)は木曽御岳の行者の食物として有名。救荒食物(飢饉のときの代用食)として、葉を乾燥して備蓄したこともあった。

制作中の独り言
 このあたりの雑木林にも見かける樹だが、大径木はほとんど見ない。たまたま伐採を依頼された樹の元玉を加工して作ったもの。なんとかぎりぎりの幅の材をとることができた。最近は、シカの食害にあっている樹をよく見かける。シカにとってはおいしい樹なのだろう。
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