樅 もみ  
                

漢字について 
 形声 木+從(従の旧字体) 從は縦に通じまっすぐな木の意。
 日本特産種。語源は、モムノキ(風にもみ合う木)、オムノキ(怖むのき 信仰の対象から)など。『鳳尾松』ともいう。

材について
マツ科モミ属の常緑針葉樹         高さ45m 直径2.5m 気乾比重0.44
 心材はなく、全体が淡黄白色、軽軟で香りがない。建築材・器具材・機械・楽器・船舶・パルプなどに使われる。パルプ材としては最も良質な材の1つ。かまぼこ板にも使われる。加工は容易であるが、割れやすく、狂いが出て保存性が低いため、柩(ひつぎ)・葬具・卒塔婆(そとば)・護摩(ごま)札などに使われる。

その他 
 古代のゲルマン民族はヨーロッパモミの老樹を神聖視し、冬季にはその枝を天井から吊(つ)るしたり、部屋の中に挿(さ)した。8世紀キリスト教の布教に赴いた聖ボニファティウスはそれを切り倒して、改宗を説いたが、常緑の樹木崇拝は、クリスマス・ツリーの形で、キリスト教行事のなかに受け継がれた。ただし、ドイツ中部以北の文学などでモミと訳されているのは、オウシュウトウヒ(ドイツトウヒ)かオウシュウアカマツである。

製作中の独り言
 非常に成長のいい樹からとった材である。素直な木目なので素直な字で書いた。ただし筆はあまり素直でないものを使った。

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