榛木 はんのき                     別名 ヤチハンノキ・ハリノキ  
      
漢字について 
 『榛(はり)』は形声 木+秦 秦は茂る意。木が茂って藪(やぶ)になること。ハシバミを指す字である。ハンノキは国字読み。『榿』ともかく。『榿』は形声 木+豈(がい) 豈は上部に飾りの付いた太鼓の象形。後に楽しむ意。 語源は、ハリノキの音便形。『榛(はり)』は開墾する意味の墾(はる)から。榛の木を開墾地に植え、護岸や稲掛けに用いた。伐り倒すと、伐り口が橙色(だいだいいろ)になる。中国名は、『赤楊』。ヤマハンノキは『榿木』。

材について
カバノキ科ハンノキ属の落葉広葉樹        高さ30m直径0.9m気乾比重0.53
 辺材は淡黄褐色、心材は黄褐色から淡紅褐色であるが、材質の幅が大きい。散孔材。大径木がなく、まとまって出ることが少ないので、器具材や建築の雑造作材に使われる。また、薪炭材・パルプ材・火薬炭にも使われる。

その他
 湿地や川原などに生え、ときに純林をつくる。根に根粒(こんりゆう)がつき、やせた土地によく育つので、砂防用に植えられたり、水田地帯で稲掛け用に列植されることがある。樹皮からはタンニンをとり、染料とする。五日市産黒八丈は、ハンノキの実を鉄媒染(ばいせん)で染めたもの。
       
製作中の独り言
 
『榛』は、ハシバミも指すので、迷ったが他にいい方法もないので、この字に決めた。少し柔らかい材である。
 
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