青梻 あおだも              別名 コバノトネリコ・アオタゴ
       
                                
漢字について 
 『梻』は、国字 木+佛(仏の旧字体)。なぜこの字が当たっているのかよくわからない。これは、シキミ「樒」という木も指す。『櫤』とも書く。国字 木+箭 『箭』は、矢・矢柄の意。アオダモは、折った枝を水につけておくと水が青く発光するから。秩父ではフヂキという。

材について
モクセイ科トネリコ属の落葉広葉樹     高さ15m 直径0.6m気乾比重0.71
 辺材は淡黄白色、心材は帯黄褐色の環孔材。シオジ・ヤチダモより重硬で、粘りが強い。弾力性に富むので運動具材(野球のバット・スキー板・テニスラケット)として最適である。材としては優れているが、大径木にならないので、産出量は少ない。材としては、アオダモまたは、トネリコとして流通している。秩父では、雑木林を皆伐(かいばつ)更新したあと、5年ほどたった林を間伐する際取り出して、野菜の添え木に使う。数寄屋(すきや)造りの床柱としても使われる。

その他 
 近縁のトネリコの樹皮と同様、目の病気・痛風の薬として用いられる。漢方では秦皮(しんぴ)といい、収斂(しゅうれん)・解熱剤(げねつざい)として用いられる。

製作中の独り言
 アカダモ(一般的にタモと呼ばれているもの)に 『梻』を使ったので、もう一つの『櫤』の字を使った。白くて綺麗な材である。この材は自分で切り倒したもの。
 
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