鼠子 ねずこ         別名 クロベ・クロビ・クロベスギ

漢字について 
 語源は、アスナロ(ヒバ)を白檜というのに対してクロベ『黒檜』という。材の色を指すのか、葉の色がアスナロよりも暗緑色であることを指すのか、定かでない。葉の裏の気孔帯の色も、アスナロに比べると白味が少ない。中国に本種はないが近縁種に『崖柏』・『朝鮮崖柏』があるそうだ。山に生えているときクロベといい、材になるとネズコ『鼠子』と呼ぶようである。『』は国字。

材について
ヒノキ科クロベ属の常緑針葉樹        高さ35m 直径1.8m 気乾比重0.36
 軽く、木理が通っていて、割れやすい。心材は、灰褐色から黄褐色で黒ずんでいることが多く、神代杉に似ている。そのため、神代杉と同じように、建築内装材(天井板・欄間など)や建具(戸・障子の腰板など)、器具材に使われる。また、下駄・経木などにも使われる。

その他
 庭園、公園に植えられる。ネズコとネズ(ネズミサシ)は別の木。
 黒部川は、この木が多かったことから名付けられたとも、アイヌ語のクンネベツ「黒(暗)い川」又はクルベツ「魔の川」から来ているともいわれる。木曽五木の一つ。ヒノキとまぎらわしいサワラ・アスヒ(ヒバ)・コウヤマキ・ネズコ(クロベ)がすべて禁伐とされた。
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刻字画像



立木画像1



立木画像2



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