山桑 やまぐわ          別名 クワ・ホングワ

漢字について
 
 象形 『』クワの葉の茂る形。本字は『』、漢代には『』が使われた。養蚕は、殷代既に行われていたらしい。中国では現在も『桑』と書く。ヤマグワは、『柘樹』と書く。
 語源は、蚕が食べる葉コハ(蚕葉)クフハ(食葉)から。またクフ(食)から。

材について

クワ科クワ属の落葉広葉樹   高さ15m 直径0.4m 気乾比重0.62
 材は美しくて堅く、艶があり、くるいが少なので、建築材(床柱・床材など)、家具(火鉢・鏡台・仏壇など)、細工物(茶道具・ぐい呑み・茶碗・箸など)・彫刻に使われる。碁器(碁石入れ)としては最高級品ができる。茶碗は塗装しないで仕上げる。

その他
 クワの木の杖や箸、杯、桑の湯、桑茶には、中風を防いだり治したりする効果があるという。これらは、クワを聖樹とみる中国の古い信仰からきており、古代の中国人は桑樹を太陽の出入りするところの神木と考えていた。
 根の皮(桑白皮)・葉(桑葉)・果実(桑椹)が漢方薬になる。果実の汁液を麹といっしょにして発酵させた酒を桑椹酒という。
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