楠 くすのき              別名 クス

漢字について
 
 本字は『』、また『』とも書く。『楠』は俗字。形声 木+は、死礼の飾り、または髯が垂れ下がるさま。甲骨(こうこつ)文字では「」南方の木なので、楠となった。『樟』とも書く。中国では現在『樟』と書く。『紅樟』はタブノキ。
 語源は、クスリノキ(薬の木)。クスシキキ(奇しき木)。南方言語から など。

材について
クスノキ科クスノキ属の常緑広葉樹         高さ55m 直径24m 気乾比重0.52
 大材がでること、材に製油分を含み、耐朽性・耐虫性が極めて高いこと、木理が勇壮なことなどで、古来から寺社建築の構築材・タンス類に使われた。その他家具・器具材・各種彫刻材などに使われる。クスノキで作った木魚は音がまろやかにこもるので最上とされる。根瘤が付きやすく、玉杢や葡萄杢などの綺麗な模様が現れる。

その他
 葉は、テグス蚕の飼料。精油分は、樟脳の原料。材のままでも虫除けになる。

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刻字画像         


立木画像         

越生のクス  

    太宰府天満宮のクス

引作の大クス

 飛鳥神社のクス


染色画像