小楢 こなら            別名 ハハソ

漢字について 
  形声 木+酋 「酋」は酒樽から香気のでている形。甲骨(こうこつ)文字では「」。『柞』・『枹』 とも書かれる。中国では現在『枹櫟』をあて、カシの「」と区別している
 語源は、実がなるその未然形ナラが名詞化したもの。ナラムモノの下が省略された形にあたる。朝鮮語説もある。ミズナラをオオナラという。

材について
ブナ科コナラ属の落葉広葉樹           高さ35m 直径2m 気乾比重0.76
 辺材は灰白色、心材は黄褐色(おうかっしょく)、虎斑(とらふ)と呼ばれる杢(もく)が美しい。針葉樹とは逆に、成長の早いものほど導管の占める割合が多くなり、比重は重く良材となる。家具・器具材・建築内装材・洋酒の樽(たる)・薪炭材・椎茸(しいたけ)の榾木(ほだぎ)などに使われる。ミズナラの腐朽材は蜂ナラといい指物(さしもの)(クギを使わない家具)材にする。

その他 
 コナラは、秩父でも薪(たきぎ)や炭の材料として里山に植えられた。里山にナラが多いのは、自然林を伐採し続けた代用植生である。現在は、椎茸(しいたけ)の榾木(ほだぎ)として使われている。この木の菌根菌(きんこんきん)であるいっぽん(ウラベニホテイシメジ)を、秩父の人はこよなく愛す。

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刻字画像



立木画像1
   コナラ



立木画像2
    ミズナラ



染色画像