桐 きり

漢字について
 
 形声 木+同  同には、筒型のもの・中が中空なものの意がある。中国では、アブラギリやアオギリなど科の異なる葉の広い高木も桐の名で総称されたため、古書には混乱が多い。現在の中国名は『桐』・『毛泡桐』。
 語源は、キリ(切・伐・剪)。伐るとかえって栄えるから。

材について
ノウゼンカズラ科キリ属の落葉広葉樹        高さ15m 直径0.5m 気乾比重0.30
 ゴマノハグサ科に分類している本もあるが、この2つの科を分けること自体無理があるという人もいる。沖縄を除く日本産の材ではもっとも軽いが、割れにくく、狂いが少ない。また湿気を通しづらく、火に強くて燃えにくい。
 家具、器具、小箱材などに用い、1955年以前は下駄に多く使われたが、現在は箪笥類に多く使われている。このほか、琴、胴丸火鉢、漁網用浮き、桐炭(研摩用、懐炉灰、火薬の原料)などがある。
 最近は、輸入物が多いが、輸入桐と国産桐との見分けは困難。

その他
 桐油は、油桐(桐とは別種)の種子から絞ったものである。速乾性で耐水性が強いので傘に塗ったり塗料に使われる。ただし毒性分を含むので食用にはならない。
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