柿 かき     

漢字について
 
 形声 木+ 『)』の俗字。「」は、標識の木を立て、それを左右から支えている形。「」は柿渋のこと。「」の俗字。「」は別字。中国でも現在『柿』と書く。
 語源は、朝鮮語のカツ(kat)またはカル(kal)がカルクになり、カキになったという。アカキミ(赤き実)からともいわれる。

材について
カキノキ科カキノキ属の落葉広葉樹       高さ15m 直径0.4m 気乾比重0.65
 心材は、単黒色または黒色で、堅く緻密なので、家具、器具材に使われる。特に黒色のものは黒柿といい、黒檀の代用として珍重される。孔雀の羽に似た、孔雀杢というのが出ることがある。北米産のバーシモンも同族。

その他
 日本では有史以前から栽培されていた。中国にもある。カキは、生命を媒介する、あるいは他界と現世とを媒介する存在としてとらえられていた。盆や正月の食べ物、供え物として特別視されているばかりでなく、さまざまな禁忌や俗信を伴っている。
  若い実からとった柿渋は、防腐・防水効果のある塗料になる。
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