春楡 はるにれ       別名 アカダモ

漢字について 
形声 木+兪 「兪」には直す(治癒)・運ぶ(輸送)の意味がある。『枌』は白ニレ。中国でも現在『春楡』・『白楡』といっている。
 語源は、ヌレ(滑)が変化したもの。皮をはぐとヌルヌルするから。北海道ではハルニレをエルム(英名)と呼ぶ。

材について
ニレ科ニレ属の落葉広葉樹          高さ35m 直径1m 気乾比重0.59
 ケヤキの仲間だが、ケヤキより柔らかい。ケヤキ・ヤチダモの代用材として、建築材・器具材・太鼓の胴などに使われる。杢の出たものは高価で、家具に使われる。福島県産には綺麗な杢が出るが、秩父産には出ない。

その他
 樹皮は、紙・縄・織布などに使い、利尿剤にもなる。
 ニレ材は中国では椀・甕・車両材に重宝され、『斉民要術』には、子が生まれると、幼樹20本を植えれば、結婚の際、結納や持参金はそれでまにあうと記述されているそうだ。 アイヌの神話では、アイヌの人祖アイヌラックルは、雷神とハルニレの間に生まれたという。ハルニレは自身の皮で着物をつくり、アイヌラックルに着せたという。
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