槐 えんじゅ      別名 エンジ・クロエンジュ・イヌエンジュ

漢字について
 
形声 木+鬼。 小葉は夜閉じるので、木に魂があるとみられ、槐の名がついた。瘤塊ができやすいからともいわれる。『(』とも書く。中国名『槐樹』。イヌエンジュは『朝鮮槐』。
 語源は、エンジュの実を「槐子」といい、熱病・破傷風などに使ったが、その呉音エスから古名エニス(恵爾須)になり、エンジュになったらしい。ヱノジュ(槐の樹)からとも。いまのイヌエンジュのことである。

材について
マメ科イヌエンジュ属の落葉広葉樹   高さ15m直径0.5m気乾比重0.59
 辺心材の差ははっきりしていて、辺材は黄白色、心材は暗褐色をし、老樹になると濃暗褐色になる。材はやや重硬で強くねばりがある。心材は腐れや割れが入りにくい。彫刻や細工物のほか、昔から建築装飾材(床柱・床框など)に紫檀の代用材として珍重されてきた。また、強くねばりのある特質は曲木に適し、器具材(手斧の柄など)・農具・車両の部品などに幅広く使われ、家具・薪炭材などにも使われる。この材は、クサエンジュと呼ばれている。

その他
 イヌエンジュは、中国原産で古い時代に渡来した。エンジュが後になって渡来し混乱した。ルチンの製造原料。
一覧表に戻る



  刻字画像



 立木画像



染色画像