GPSのトレッキングでの使い方(ガーミンでの例)

ここでは、登山でのハンディーGPSGARMIN)使い方の大まかな流れをご紹介いたします。GARMIN以外でも流れは同じです。eTrex30初期設定についてはをご参照下さい。

利用の流れは、 

@ルート設定

GPSを使う為にはとても重要です。現地ではGPS操作に時間をかけていると日が暮れてしまいます。正しいルートかどうかの判断や、次のポイントまでの時間や方向の確認はルート設定を事前に行っておく必要があります。

スマホの登山アプリ利用者には、面倒なのでルートを設定せずに、スマホアプリの他人のログをダウンロードして参考にしている例も多々ありますが、基本は通過すべきポイント事前に設定することです。

Aトレッキング開始

現地では設定したルートから外れていないかを要所で確認しながら次の通過ポイントを目指します。

GPSを見ながらの「歩きスマホ」ならぬ「歩きGPS」はお勧めしません。

B帰宅後処理

データをPCに移し、山行を振り返ります。

 

STEP1:ルート設定 (自宅での作業)

まず登山用GPSに予定ルートを設定します。設定は、「カシミール3D」を例としています。

最初に「カシミール3D」を起動させ、登りたい山を表示させます。「カシミール3D」は色々な地図を選べますが私は、本で購入した解説本地図が高さ情報を持っているので愛用させて頂いております。もちろん無償の国土地理院の地図も利用できます。

上記地図上の破線が登山道を示しています。しかし間違っていることも多く、季節(たとえば冬期)特有のルートが存在するため、このまま信用するのは少し不安です。そのため参考ルートとして、「ヤマレコ」に投稿されているGPSログを利用させていただいております。

http://www.yamareco.com/

ヤマレコには「ヤマプラ」という有り難い機能もあるのですが、他人が作成したルートよりも自身で作成したものを利用したほうが良いと考えています。例として地図のルートや「ヤマプラ」が当てにならないケースもあります。

鳥海分岐例

上記は鳥海山の大平からのルートで七五三掛付近です。水色のルートが「ヤマプラ」のルートで、太い点線(破線)が国土地理院のルートです。この肝心な場所でルートが不正確だと混乱の元となります。もちろんGPSルートはアバウトなので、こんなものなのですが、もう少し正確なルートを入れておきたい所です。

 

念のため上記ルートと「ヤマレコ」の『みんなの足跡』でみると

無題

上記のように少し違っているので、出来たばかりの新しいルートなのかもしれません。上記で見ると『みんなの足跡』もルートの当てにするのは少し怖い?

 

「マップ機能」から「変換前のGPSログをダウンロード」を選択します。ここで注意点は、GPSログでない手書きのルートが沢山ありまので、かならず本物GPSログをダウンロードする必要があります。見分け方は、「変換前のGPSログ」であることです。手書きのログはポイントが荒くておおざっぱなので、よく見れば判断出来るかとおもいます。

また出来れば3人以上のルートをダウンロードしておくとよいかと思います。理由は、GPSログは誤差があるのと、人によって歩くルートが微妙に異なるためです。また古いログは使わず、直近もしくは最近のものを参照された方が良いかと考えます。山は崖崩れなどでルートが割と変更されることが多い為です。

 

データは、プログラムで開くと自動的に、「カシミール3D」に取り込まれます。

上記が「カシミール3D」に実際取り込まれたルートです。(1人分)このルートを3人以上ダウンロードしておきます。

 

あとは登山開始場所にマウスポイントを持って行き、右クリックで『ルート作成』を選択します。

上記赤がダウンロードした他人のログで、青い線が作成中のルートです。ポイントの間隔は、完全に好みです。迷いそうな場所は間隔を狭く置きます。あと完成したルートは、自分が分かりやすいように名前を付けて保存します。上記青色の線が作成中のルートです。

 

ここで重要な点は、完成したルートの主要なポイントの名前を変更しておくことです。(各ポイントは自動で名前が付きますが、主要なポイントだけ何点か変更します。)

ここをさぼると、GPS上でポイントがなにを示しているのか判断できなくなります。上記は、燕岳の例です。

 

念のため、グラフ表示で、登る量や斜度、距離を表示させ計画の妥当性を確認します。

上記は、蓼科山の例です。最初は平坦ですが途中3回急斜面が現れることが読み取れます。

ルート上の人形をマウスで山頂まで移動させると、画面右上に情報が表示されます。

この例では、直線距離 約3km 、標高差が約770mです。推定時間は約2時間となっていますが人により速度が違うため参考になりません。実際の歩いたGPSログからは、3.4kmで約3時間掛かりました。

妥当性の判断の基本は、登る量、距離、予想時間が自分の能力に合致しているかです。地図に書いてある所要時間で計算しても良いのですが、ある程度経験して判断する必要があるかと思います。たとえば上記のケースでは水平速度が時速1km(3kmだと3時間)で、高度は垂直速度で見ても約260m/時(800mで3時間)です。

色々登ってみると、帰宅後ログを分析し、自分の能力がわかれば計画時に無理がないか確認することができます。

 

tateshina

Google Earthにルートを表示させ、あらかじめ歩く場所をイメージするのも良いかと思います。方法は、ルートファイルをkml形式で保存して、そのファイルをGoogle Earthにドロップ(つまりアプリを開いた状態の上にマウスでファイルを置く)するだけです。

完成したルートは、GPSにアップロードします。完成したルートを右クリックでアップロードを選択します。必ずGPS側でルートがダウンロード(PCからみるとアップロード)されたかを確認しておきます。

 

51 75

確認は、『ルート作成』を開くと、ダウンロードされたルートが表示されるはずです。

 

84 93

ルートを選択して、『地図参照』を選びます。トレッキングを開始させる場合は、『出発』を押します。

 

STEP2:トレッキング開始

登山開始前に、軌跡とカウンターをクリアーにしておきます。登山開始時、ルートを選択しナビゲーションを開始させます。するとルートと通過するポイントに青いピンが表示されます。

786

 

GPSの画面は、頻繁に見るものではありません。所々ポイントで、ルートから大きく外れていないか確認しながら登ります。

2718

現在の高度、時間、予定到達予測などを表示している例です。ルートに沿って歩いていることが確認できます。

 

10305

この画面だけでもある程度コースからのズレが確認できます。

 

4217

緑が登った量、青がこれからの予想となります。ただこの青い予想図はあまり当てになりませんのでご注意ください。

 

30247

どれぐらい歩いたか(時間と距離)、あと何時間位掛かる予想か、等を確認できます。

上記例では、合計8時間17分(休息も含む)距離は18.5km 歩行したことを示しています。

 

(注意)GPS操作する際は、かならず立ち止まって行ってください。以前操作中、崖から滑落し、あわや大けがをする所でした。イタドリに引っ掛かり、助かりました。それ以来絶対安全な場所で操作か、少しでも危険な場所は必ず立ち止まるようになりました。

 

STEP3:トレッキング終了、帰宅後 (自宅での作業、振り返り)

登山終了後は、GPSの電源を切ります。(帰宅までのログを残したい方は別ですが…)帰宅は、GPS内のデータをPC(カシミール3D等)にアップロードします。そのあと、GPS側の軌跡、ルートデータ、ポイントデータを全て削除します。(現地で混乱しないようにGPSはすっきりさせることをお勧めします。)

取り出す方法は機種により異なりますが、基本的には流れは下記です。

保存方法

「トラック」とはGPSのログデータ(軌跡データ)のことを指しています。

上記@GPSレシーバアイコンをクリック→GPSデータエディタが開くので、Aのダウンロードアイコンをクリック→GARMINとの通信メニュBがポップアップしてくるので、最新機種はそのままCの開始をクリック→データが採りこまれるとDの「カシミールへ保存」をクリックそのあとなにを保存するか聞かれるので「トラックデータすべて(T)」を選択。→すると上記「トラック」フォルダーの一番先頭に保存されるので、あとは自分の整理したい場所にファイルを移動させます。

画面サンプル

上記はトラック整理方法の一例です。年度と機種によりフォルダーを分けています。トラックはACTIVE LOG 001となっていますフォルダーではなくトラックのファイル名を変えて管理する方法もありますので、好きな方法でファイルを整理しておきます。年度ごとにフォルダーを分けると年ごとログ表示を「オフ」出来ます。 画面が軌跡の線だらけにならないためにもフォルダーによる整理をお勧めいたします。

 

画面例

地図に軌跡が表示できます。

カシミール3Dで簡単な分析が出来ますので、山歩きを振り返ることが出来ます。

カシミールによる分析

上記は、全体で約8.5km、累積標高約823m、平均速度1.5km/時、所要時間5時間39分であったことが分かります。

 

カシミールによる分析2

歩く速度変化も添付のように簡単に表示させることが出来ます。

 

無題

Google Earthにも簡単に表示させることができます。ログファイルをkml形式で保存したものを、Google Earthにドロップするだけで簡単です。(上記は、金剛山の例です。)

 

EXCELによる詳細なログ分析もご参考にしてください。→こちら

 

Home