第13ステージ(2021/10/26~10/30)

第58日(2021/10/26) 高松市内に移動だけの日

12日に琴電の長尾駅の続きなんだが、長尾駅には泊まりたいと思うところがないので高松泊。
昼頃に家を出て、新幹線、マリンライナーで高松に。
高松の駅は、全てのホームが始発駅であり終着駅、ひとつの方向から列車が入り、その方向に列車が出てゆく。阪急梅田駅と同様に尖頭式ホームという。かつて線路が切れていく先には線路が敷いてあって港まで続いていた。宇高連絡船につながっていた。
瀬戸大橋ができたので、海に行く線路はなくなってしまった。
同様な風景は、函館、青森でも見ることができる。

線路がたくさんあったエリアは近代的なビルが建っている。

今日は琴電の中心駅である瓦町の近くのホテル、チェックインして居酒屋に繰り出す。


第59日(2021/10/27) 女体山に登り88番の大窪寺、結願(けちがん)

ホテルの無料朝食を食べていると遅くなるので、昨日のうちに買っておいたコンビニおにぎりで朝飯を食べて瓦町駅、そして長尾線の終点の長尾駅。


長尾寺を見て、道は南にとる。
88番の札所の大窪寺は15kmぐらい先にある。
舗装された県道と並行する道のお遍路道を行く。

上の写真は、江戸時代に末期に作られたお地蔵様。
道中で亡くなったお遍路さんを供養するものだ。
お遍路さんの金剛杖は、道中で行き倒れたら道のわきに葬られるときの卒塔婆なのだ。

ゆるやかに登っていくと前山ダム。
ここに道の駅と前山おへんろ交流サロンがある。
ここは、歩き遍路の人は寄っていくようにおすすめの場所だ。

さっそくお邪魔した。
中に入ると早速係の人がこられて歓待されてお茶とお菓子をいただいた。
歩きか自転車でお遍路をしていると特典がある。
四国八十八カ所遍路大使任命書、バッジ、おへんろDVDがもらえる。


ただこの任命書はA4サイズなので、歩き遍路のリュックで折れ曲がるので、この半分のサイズのほうがうれしいな。

係の人にコースの説明をしてもらった。距離が短いのは女体山の山頂を経由するコース。遠回りだが舗装の県道を回るコース。
距離に関係なく三時間らしいが、山を越すともっと時間がかかるとのことだった。

迷ったが、お遍路慰霊碑を通り女体山を超えるコースを選択した。
道の駅で昼飯の、地元産の栗おこわとアンパン、お茶を買って出発。

県道わきの供養碑をとおり、林道に入る。

車がまったく来ない林道を歩いていく。
途中の多和神社でひと休み。
ここの道に入って車も人とも出会わない。

林道を歩いていると、昼寝城入口の看板があった。
ここの山の上に城跡があり、昼寝城というらしい。
古い山城だが、堅固な城であったとのこと。

城の名前は、堅固だから攻められても昼寝しても大丈夫とか、山の名前が昼寝山からきてるとからしい。
とにかくユニークな名前だ。


ようやく林道が終わり、山道に入る。
きびしい山道が続く。

一部ではあるが紅葉も見ることができる。
道がどんどんと険しくなっていく。

最後は岩の壁のようなところを這い上がる。
三徳山に以前いったことがあるが、そこまではいかないが結構急な登り。

山頂についた。
祠のようなものがあり、昔は修験道のコースだったのだろう。
ここからは急な下りとなり88番の札所、大窪寺は近い。
















88番の大窪寺に着いた。

いつもどおり納経して、これで八十八カ所を回り終えた。
これを結願(けちがん)。
納経所では、別に結願証明書を発行していて2,000円。
賞状のような紙にケース入り。
買っている人は多いが、歩き遍路には邪魔になるのでパス。
また使用した金剛杖を奉納することもできるが、歩き遍路の人はまだ金剛杖を使用するので、まだまだ奉納できない。

しかし、札所を全てめぐって「ほっ」と、足も軽い。

今日の泊まりは白鳥温泉、ここから10kmぐらいのところ。
距離は10kmだけど下りの道。

途中から歩きやすいお遍路道に入って白鳥温泉。


実はここに楽天で予約したのだが、日を間違えていた、宿からネットで修正してくれと電話があったのだが忘れていた。
フロントで、追加のキャンセル料を払うと言ったが、それはいいと言ってもらった。
申し訳ありませんでした。
フロントの人は親切な人だった。

温泉に入ってのんびりとくつろいで8時前に眠ってしまった。

第60日(2021/10/28) 與田寺(よだじ)から徳島に



白鳥温泉から海のほうに下りると與田(よだ)寺がある。近くに三本松港があり大阪への船が出ていた。
そこでお遍路が終わって帰る人が與田寺に寄って、御礼参りをしたと言われている。
そのため、この寺は四国総奥之院と称されている。
今は、御礼参りというと、一番の霊山寺、高野山の奥の院とか東寺とか言われているが、本当なら御礼をしてもらうのは、こっちのほうでお大師様のほうから「よう来ていただきました」と礼を言ってもらってもと思うのだが。

舗装された道をおりて與田寺に着いた。
般若心経をあげてお参りする。
厄除けの寺として、正月はものすごくにぎわうらしい。
しかし、今は閑散としている。

ここで今後の回り方を考える。
高野山に行こうと思っているので、四国の最後は徳島の駅前のホテルで泊まる。
一番の札所の霊山寺に行く。
最初のあるき始めのJR池谷(いけのたに)駅に行く。

池谷駅にいけばJR徳島駅まではすぐ。
しかし、ここから池谷駅に今日中に着くのは無理。

そこで、一番の札所の霊山寺までのところで泊まる宿を探さねばならない。
最後の山道は大坂峠、これは今日中にクリアしたい。

・・・・・・・・・ということで、今日の泊まりは、3番札所の金泉寺近くの宿「道しるべ」に決定。電話で予約。

徳島県と香川県の県境にきている。最後の讃岐うどんをたべようと、ひがし香川のまるたつうどんに入った。

写真のうどんは、少し食べてからうつしました。
うどんは、「小」で大阪での普通サイズ。
前に「大」頼んで、そのあと動くのがしんどくなったので学習効果。
美味しかったです。
この店は、待っている人もある人気店のようだ。

うどんを食べて坂を超えて海沿いの道に出てきた。

カマキリがいてたので、杖につかまらせてみた。




讃岐愛生駅を過ぎて、海を背にして山に入る、大坂峠の上り。

道は地道だが広い。
説明には、明治初期に道が整備されて馬で引く荷車で峠を超えることが出来たととのこと。

最後の地道が広くて、よかったと思った。

県境についた。

県境が上りの最後のはず。

登り切った、もうあとは下りのみ・・・・甘かった。
広い道は、ここで終わり、県境からさらに細い道が続いていく。
まあ少しぐらいは上がる事はあるとは思うが、さっきの峠の高度が260m、改めて地図を見たら380mまで上がるらしい。
県境までと思っていたから、がっくりきた。

腹が減ったから、おやつの出汁こんぶ、チーズ、金のミルク、するめを食べてひと休み。
もう非常食を使うこともないから、食べてしまおう。

ようやくピーク。
もう登りはないと思って気がゆるんでいたら、右足を取られてひねってしまった。
痛いと思ったが、ここには誰もいない。
我慢して歩くことにする。

集落が見えてホッ。
JR高徳線の線路、列車がきたから写真。











ようやく車も人も目立つ道にきた。


宿までの道、二人の人に大坂峠を越えてきたのかと問われた。


本日の宿の道しるべにきた。ひねった足が痛いせいか宿の階段をあがるのも疲れる。

同宿者も二人、美味しいご飯を食べてすぐに寝てしまった。

第61日(2021/10/29) 一番札所から池谷駅に、そして徳島駅

8時前に寝てしまったので、夜中に起きた。
足がぱんぱんに腫れていた。
トイレに行くのもつらい。これで今日は歩けるのか。

宿の主人に包帯があるかと聞いたらなかったので、ハサミを借りた。
ハサミでタオルを細長く切り、テーピングにしよう。

宿の主人は、病院まで送りましょうと言ってくれたが、感謝はしたが歩けると思った。
歩けなくても駅は近い、ダメなら駅まで行って大阪に帰ろう。

タオルのテーピングの効果か、歩けるようになった。

3番札所の金泉寺はすぐに着いた。

ここまでくると、最初に歩いたお遍路道に戻っている。違うのは逆方向に歩いていることだ。
お遍路を始めた時に、逆方向から歩いてきた人が思い切り挨拶してくれたが、多分結願して一番に行く人だったのだろう。
思い切り挨拶した理由がわかる。回り切って一番札所に向かう喜びだと。

そして一番札所の霊山寺。
この寺で、真新しい衣装で拝んでいる人が多数いる。

3年前のも私もそうだったんだなと思う。

ここでお遍路の衣装や道具をそろえたんだっけ。
してみたかった事があった。


歩き遍路をしたら金剛杖が減ると聞いていたので、検証したみた。
上の杖が私の、下の杖が新品。
これで見たら10cm以上減ってる。四国の道路に杖の削りカスを残したのだ。

上の写真、左が2018年、右が2021年今回のもの。
女の子の人形の袈裟がいろあせてるのがわかる。向きも少し違うようだ。

一番札所で納経して満願と言ってもらった。
満願、マンガン・・・・・・・・リーチ、メンタンビン、ドラ2・・・・・・・・。
八十八カ所を回って、煩悩のかたまりではある。

ここから歩いて、JR池谷駅に。

歩きの出発点はここだった。
実は一番札所近くの板東駅にいきたかったけれど、ここで待ち時間が長いので一駅ならばと歩いてしまった。
でも田舎の一駅間の距離は長かった。
でも歩き始めの駅、ここに来て「ああ一周した」と思った。


私自身としては、この駅について満願だと思った。
徳島駅前のホテルにチェックイン。

焼鳥屋で自分に祝福。
肝焼きが美味しかった。


第62日(2021/10/30) 高野山に

駅前のダイワロイネット、朝早くコンビニに買い物。
部屋で朝飯のサンドウィッチを食べて、チェックアウト。

徳島市営バスで徳島港に。
朝8時のフェリーに乗れば、高野山には2時すぎにつける。
南海のすきっぷは、お得なきっぷで徳島港から和歌山港、そして難波、高野山などのきっぷを入れて2,200円。以前は2,000円だったから200円あがった。
それでも、お得。

但し、和歌山港から高野山は南海本線で天下茶屋、乗りかえて高野線で極楽橋、ケーブルで高野山。
本線のほとんど終点の天下茶屋だから、ほぼ南海乗りつくしルートと言える。


市バスで徳島港、窓口で高野山までのきっぷを買って乗船。

写真を撮ってから寝ていたら和歌山、およそ2時間。
船を下りるときに、乗客の一人から結願したお遍路さんですかと聞かれて、はいと答えたらティッシュに包んだお金をお接待してもらった。
ありがとうございますとありがたく受け取った。

電車は船の時間に連絡していて、乗換は便利。
特急サザンで天下茶屋、天下茶屋から急行橋本行、普通、ケーブルと乗り継いで高野山駅、ここからバスで女人堂。
ここから歩いて2kmで奥之院。

高野山には初めてきた。寺社がならぶ大きな街になっている。スナックもある。
それにしても人が多い、お遍路さんのかっこうをしている人はほとんどいない。


高いところにあるからか紅葉も始まっている。

奥之院から入って、弘法大師をまつってある御廟で納経した。
最後に、もっていたお賽銭の全部をぶちまけフェリーでいただいたお金を賽銭箱に放り込んだ。

帰りはここからバスでケーブルの高野山駅。
ここでビールを買い込んで、難波行の特急「こうや」の中で祝杯をあげた。


ひねった足は、まだ少し痛いです。
医者に行ったら、骨折はなくおとなしくしてたら二週間で治ると言われました。

来年は二周目のお遍路に行こうと思っています。
今度は自転車を使おうかな。
これを四国病というそうです。




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