深山の湯 (道の駅02)


暑かった日々も過ぎ、何となく秋らしい感じになってきた。
肌寒さを感じるような日は風呂が気持ち良い。
そうだ、温泉へ行こう!

otari ちょっとだけ足を伸ばして 深山(みやま)の湯 という温泉に行ってみた。道の駅 小谷(おたり) の付帯施設としての天然温泉である。
(所在地)

俺の住んでいる地域にも温泉はたくさんあるのだが、この辺の温泉の泉質は無色透明で無臭なのが特徴だ。好みかもしれないが、温泉は濁ったような色合いと独特の臭いがある方がより楽しめると俺は思っている。
前回書いたように、道の駅を片っ端から制覇してやろうという気持ちから、いろいろと調べてみた所、この 深山の湯 は「赤いお湯が自慢」と紹介されているではないか。
とても興味を惹かれ、高速道路を併用し片道約3時間をかけて到着した目的の地は、とても雄大な山々に囲まれた大自然の中にあった。

この 小谷 という道の駅は国道148号線沿いにある。長野県と新潟県を結ぶ主要道路で、俺も過去に走った事はあったのだが、こんなに素晴らしい施設がある事を見落としていた。とても素晴らしい道の駅である。
売店やレストランの建物はきれいで、中の雰囲気もとても良い感じであり、俺が行ったのは平日の昼間だったのだが、立ち寄る人も多いらしく、なかなか賑わっており活気があった。
郷土品などの魅力的な土産物が所狭しと数多く並ぶ売店のレジの片隅に、目的の温泉への入り口があった。入浴料500円と小谷オリジナルのタオル150円の購入代金を支払って、いざ温泉へ。

畳の部屋の休憩室では湯上がりの夫婦が大の字になって寝ているのを横目に、はやる心を抑えて浴場へと向かう。
説明書きによると、この温泉の泉質は「ナトリウム・カルシウム・炭酸水素塩・塩化物温泉」で、効能は「神経痛、筋肉痛、慢性消化器病、疲労回復、関節痛 他」となっている。
お湯の色は確かに赤い色をしていた。正確に言うと茶色っぽいような濁った赤色か。
臭いはよくある硫黄臭ではなく、鉄錆のような独特の臭い。
大きめの内風呂と、薬草湯、そしてあがり湯と3つの浴槽があり、ガラスの扉の向こうには小さいながらも露天風呂があった。
施設自体がまだ新しいのか、管理が行き届いているのか、とても衛生的できれいに保たれており、その清潔な雰囲気にかなりの好印象を抱いた。湯船はでこぼこした小さな石がたくさん貼り付けられているのだが、その石が、温泉特有の成分のためか浴槽内の湯面ラインの所だけが赤く変色していて、これがまた良い味を出していた。いかにも天然温泉って感じだよね。
露天風呂には 笠地蔵 の昔話に出てくるような 笠 が3つ用意されていた。雪の多いこの地域ならではの配慮であろう。雪の降る中での露天風呂もまた風情があって良いのだろうと思うが、今回の季節は初秋。紅葉にはまだ早い青々とした深い緑色をした山々を見ながらの入浴を満喫した。
プライバシー配慮のためか露天風呂の周りには葦簀のような衝立が張り巡らされており、せっかくの大自然の山々が湯船に浸かりながらでは少々見えにくかったのがやや残念か。
外気温がやや低いのか、露天風呂の湯面からは湯煙がゆっくりと立ち上がっており、大自然の中への上空へと上がっていく湯煙を見ながらの入浴は、とてもゆったりとした時間を過ごす事が出来た。ここだけは別の時間が流れているのではないか、と思えるほどのゆっくりとした幸せな一時であった。


温泉の臭いで思い出したのだが、先日会社の研修旅行という名目で遊びに行った、長崎の雲仙の温泉は猛烈に硫黄の臭いがきつかった。火山活動が活発な証拠なのか、そういう地質なのか。
温泉の魅力は、色と臭い、そして「旅」の要素かな。
次はどこに行こうか。

2003.9.26.
2010.9.22. (加筆修正)

【過去の道の駅ネタ】
01.道の駅(その01)





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