馬鹿すぎる国土交通省
目的を見失った道路運送車両法
「公害の防止」は道路運送車両法の目的の一つにもなっている重要な事項であるが、一般的にも自動車による公害の防止についての関心が高いことは言うまでもないことであろう。
世界の公害防止に関する法律ではアメリカのマスキー法が有名で日本の自動車メーカーはいち早くそれをクリアーし技術の高さを内外に知らしめた。
日本での排出ガス規制はそれに追随する形となったが百歩譲ってそれはゆるしてあげよう。
それはたとえ1年程度の遅れならばそれほど環境に影響しないであろうし、すでに特定有害排出物質の排出量はかなり少なくなっており、日米の規制の数値の違いは環境全体から見れば微々たるものであるからだ。
新車時の環境性能については日本の規制は欧米と遜色ないが、問題はその車の優れた排出ガス低減装置の機能を維持管理を目的とする点検整備であり、それも本来道路運送車両法の重要な目的である。
ご存知のように日本では継続検査(車検)という制度があり2,3年に一度車をチェックすることになっているが、実際にお昔の車と最新の車が同じ方法で検査されており最近の車については検査として意味を成していない。
具体的には最新の環境にやさしいエンジンの排出ガスは都会の空気より綺麗と言われるほどクリーンなエンジンを継続検査時アイドリング状態でCO4パーセント、HC1200ppmまでという規制値で検査するというのだから大笑である。
その結果現在もわざわざ手間をかけて排出ガス中の有害物質量を実測しながらOBD2検査機器を使えば簡単に発見できる不具合がある環境に悪い車も継続検査に合格しているのである。
昔は日本の継続検査は厳しすぎるなどという意見もあったほどだったのだが、国土交通省はいつからこんなに腐ってしまったのであろうか。

OBD2とは
最近のエンジンはコンピュータで制御されているのだから車載コンピュータと通信してチェックするのがもっとも効率が良いのであるが、従来は点検用コネクターや通信プロトコルが各社で違った為に専用の診断機器を必要とした。
OBD2では点検用コネクターと通信プロトコルを標準化したので汎用の診断機の診断を可能とした。
アメリカでは1996年以降生産される車に義務つけられ現在に至っている。
もちろんアメリカで販売されている日本車もOBD2に準じている。
これによって使用過程にある自動車の点検、検査が容易になり車本来の環境性能が発揮されているわけであるが、これはアメリカの場合である。
しかも通信プロトコルはビッグ3のそれぞれのものがグローバルスタンダードとなってしまった。
アメリカより10年以上の遅れ
さて日本では2002年ごろから点検用コネクターが付くようになった。
16ピンのOBD2の規格であるが、問題は通信プロトコルが独自のものが許されていることだ。
国土交通省の告示によると何と、新型車については平成20年から、生産継続車については平成22年からOBD2を義務付けるそうだ。
ちなみに国土交通省に言わせるとOBD2は「高度な車載式故障診断装置」と言うそうだ。
「いくら高度な装置であれど付けなければ機能しない」と私は国土交通省の脳みそが腐ったやつらに教えてあげたい。
義務化しなかったのは国土交通省なのだから。
ちなみに中国では2006年12月からobdシステムが付いていない新車の販売を禁止、韓国では2007年1月から同様に禁止されるなど国際的にはほぼ標準化を終えている。
もう一つの目的違反
特にディーラー系以外の整備事業者にとってコンピュータ診断機は必要不可欠の物となってきている。
しかし、通信プロトコルが統一されていないために海外のものより割高な診断機を買わざるを得ない。
また古い車にはOBD2コネクターが無いのだから高い診断機を買っても使用頻度が低く採算が合わない。
その結果、診断機の導入そのものが遅れているのだから整備技術も遅れていると言って間違いないであろう。
もちろん整備事業者側からOBD2を義務化して欲しいという要望はあるにもかかわらずである。
道路運送車両法の目的の一つに整備事業者の健全な育成というのがあるが、OBD2義務を遅らせた国土交通省はその責任をどう取るのだろうか。

日本車の魅力も半減させた
日本車の性能や生産技術が優れていることは世界中で認められていることだろう。
しかし、性能が優れているだけ商業的に成功するとは限らない。
例えばかつてのVHS対ベータのビデオ戦争でも性能の優れるベータに対しVHSはソフトの充実で勝利した。
車においてもすでに家電化していると言われて久しいが、規格を満たしていない商品は汎用品が使えないために魅力は半減する。
実はOBD2を利用した製品は故障診断機だけにとどまらずさまざまなものが販売されている。
その一つカーチップは速度をはじめとする走行中の5つのデータを300時間記録しパソコン上にグラフ化して表示できる。
元々は10代のドライバーの運転を監視するために作られたものだが、社用車の管理や高齢者の運転の監視など用途はアイディアしだいで幅広く優れた製品である。
そのほかにも車の馬力やトルクを表示する製品もある。
いずれの製品もOBD2に準じていない自動車には使えないし、もちろんその他の安い汎用診断機も使えない。
今後もOBD2を利用したさまざまな機器が販売されるであろうが、それらを使えない車の魅力は半減する。

国土交通省の人間の責任
お前らは下記の三つの事項を遂行しその責任をとれ。
1.国土交通省の中の人はOBD2規格が遅れた間にそれが義務化されていれば排出されなかったであろう有害物質を1g残らず吸い込め。
 余分に排出された炭酸ガスも吸い込め。
2.OBD2義務が遅れたために遅れた整備工場の整備技術を取り戻すために整備工場へ行って油まみれになって働け。
 そして労働の義務を果たせ。お前らが今までやっていたことは労働ではないことに気が付くだろうから。
3. ね。
 お前らがいなければ海外で採用された基準を日本ですぐ採用出来るから、お前らは ね。

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