1999年10月9日 県立ぐんま天文台 見学



この7月に正式オープンしたばかりのぐんま天文台を見学してきました。ぐんま天文台はアマチュアが利用できる日本最大150cm望遠鏡があるとのことで、オープン前からアマチュア天文家は楽しみにしていました。
国立天文台に勤務する従兄弟の義父が、計画の段階からぐんま天文台に関与しており、その関係で招待券をいただいたので、私もまずは、どんなところにあるのか、どんな望遠鏡が入っているのか、日中に見に行くことにしました。

渋川市を抜けて中山峠に向かうと、要所要所に天文台の看板があります。中山峠の頂上付近に天文台入口の表示があり、そこから1キロほど進むと、天文台の駐車場となります。天文台へは舗装道路が続いていますが、一般の人達は進入禁止となっており、ここに車を置くことになります。これは、夜中に車のヘッドライトで天文台に悪影響を及ぼさないためで、ここから天文台までは、歩道が続いています。

歩道を歩いていくと、横には所々に、工事現場で使うような針金でフレームされた裸電球が、腰ほどの高さにぶら下げられていますが、上半分がアルミホイルで覆われており、上空に向かって光が漏れていかないような配慮がされていました。歩道は600mとのことですが、緩い登りなので、思ったより距離があるように感じました。途中に中間地点と表示がある休憩広場があるのですが、どう見ても、中間地点よりも手前にあります。息が切れることはありませんが、うっすらと汗をかく程度の時間で、頂上にある天文台に到着しました。

天文台下の広い駐車場。
天文台まで600m登ります。
天文台の外観。

天文台左隣の芝生の広場には、なにやらモニュメントのような物がありました。説明の看板を読むと、インドにある昔の日時計を復元した物でした。そういえば、昔、インド皆既日食を見に行ったときに、本物を見てきました。本物の日時計は石で出来ていますが、ここの復元した物は、コンクリート製です。でも、この復元された日時計は、ここの緯度に合わせて作られた物だそうで、見た目の外観は同じでも、この地に合わせて日時計の影がきちんと時刻を指すように、計算して作られたオリジナル品です。
その奥には、イギリスストーンサークルを復元した物もありました。もちろんこれも、コンクリート製ですが、本物のストーンサークルを見たことがない私にとっては、こんなに大きな物を昔の人は良く作ったものだと思いました。

復元されたインドの日時計。
ストーンサークルの復元も。
150cm望遠鏡のドーム。

天文台の中に入ると、ちょっとした展示コーナーがありました。ここに入っている150cm望遠鏡の構造の模型や、望遠鏡のしくみなどを説明する展示物が並べられていました。また、ここにある太陽望遠鏡から直接投影された太陽像が見られるコーナーがあり、今日は天気が良く晴れていたので、黒点が多数ある大きな太陽像を見ることが出来ました。

展示コーナーもあります。
望遠鏡の模型の展示。
太陽の投影像が見られます。

150cm望遠鏡。
65cm望遠鏡。
いよいよ、この天文台にある望遠鏡を見に行くことにしました。通路を抜けてひたすら階段を上がると、そこはドームの入り口の扉でした。中に入ると多くの人で賑わっており、中央に150cm望遠鏡がそびえ立っていました。とにかく、なんと表現したらいいものか、こんな大きな望遠鏡の外観を見たのは、東京三鷹国立天文台赤外線シミュレータ以来です。赤外線シミュレータ口径150cmですから、ほぼ同じ規模なのです。これが、我々アマチュアでも覗かせていただけるのですから凄いことです。ちょうど、時間ごとに行っている見学ツアーに出くわしてしまったらしく、ここの研究員の方がいろいろと説明をしてくれました。

見学ツアーに合流し、階段を下りて通路を進み、再び別の階段を上って扉の中に入ると、今度は65cm望遠鏡がありました。別のドームの中に移動したのでした。こちらの望遠鏡も、150cmに見劣りしない立派な物でした。年末ジャンボ宝くじで1億5000万円が2回ぐらい当たらないと買えないそうですから、こんな望遠鏡を夜になればアマチュア天文家が覗かせてもらえるなんて夢のようです。天気が良かったので、ドーム外周の屋外通路に出させていただきました。山の頂上にある天文台の、そのまた上のドーム外周からの眺めは最高でした。

ひととおり見学して帰路に着きましたが、次回は一般観望を行っている天気の良い夜に、実際に望遠鏡を覗いて、再び感動したいと思いました。

ぐんま天文台についての詳細は、群馬県立ぐんま天文台のホームページ
http://www.astron.pref.gunma.jp/index.html
をご覧ください。


1999/10/28


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