その7. 1999年10月10日の星見
(栃木県粟野町粕尾峠)



9月は星見に行けなかったので、星見に行くのも2ヶ月ぶりです。今回は、コニカから出たCENTURIA800を使ってみることにしました。3連休なので実家に帰って、天気が良ければいつでも出かけられる準備をしました。前日の夜は、曇ってしまい星見に行くのを断念しましたが、今日は雲があるものの、なんとか星の写真が撮れそうです。夕方になって、地元の星仲間である島田さんから、携帯に電話が入りました。粕尾峠に行こうということで、20時頃、現地で待ち合わせすることで出発しました。

現地のいつもの駐車場に到着すると、先客がおり、アマチュア無線の八木アンテナが、数本立ち並び、側の車の中で灯りをつけて無線をしていました。無線屋さんに話を聞くと、昨日からコンテスト期間中とのこと。これでは星見ができないと引き返して、峠途中の砂防ダムの空き地に行くことにしました。砂防ダムの空き地に到着すると、島田さんが赤道儀を出しながら空を仰いでいました。私も車から降りて空を見ると、西の空を覆うように雲がありました。しばらく見ていましたが、西の空で雲が湧き上がり、流れて天頂近くで消えていくといった具合でした。今晩写真を撮影するのは厳しいかなと、赤道儀を組み立てるのをしばらくためらっていましたが、東から北の方向は雲が出る気配が全くないので、そちらの方面を中心に撮影すればいいかなと、望遠鏡を組み立てることにしました。組み立て終わった頃、一時的に全面曇りとなってしまいましたが、その後、天気が良くなり出したので、カメラにフィルムを入れ、いよいよ撮影を始めることにしました。

まずは、5月から追いかけているリー彗星(C/1999H1)を向けることにしました。アンドロメダ座α星を基準にして、予報位置データを元に目盛環を使って導入しました。イプシロンからカメラを取り外し、Or18mmのアイピースを付けました。覗いてみると、8月に見たときよりも暗くなりましたが、ぼおっと広がったリー彗星が、はっきり見えました。早速、カメラを付け直して撮影しました。

C/1999H1(Lee彗星)の画像

夏の銀河もそろそろ見納めの時期です。はくちょう座も早い時刻に西の空に傾いてしまいます。そこで、はくちょう座散光星雲である北アメリカ星雲(NGC7000)を撮影しておきました。

[以前に撮影済み]
なし NGC7000 散光星雲 はくちょう座


次に、同じくはくちょう座にある散光星雲まゆ星雲(IC5146)を撮影しました。今回のフィルムSENTURIA800が、赤の低照度相反則不軌が少ないということで、どの程度のものなのか見ることにしました。

多胡カタログNo. NGCカタログ 種類 所在 写具合
なし IC5146 散光星雲 はくちょう座


今晩は露がかなり降りています。イプシロンの開口部には40センチのフードを付けているので、ミラーは曇りづらいのですが、一緒に載せていたED300mm望遠レンズは、白金カイロを付けているのにも関わらず、曇りだしてしまいました。先ほど島田さんに、白金カイロを1つ貸したのですが、島田さんは、夜半を過ぎたので帰る時刻となり、返してもらったカイロを更に望遠レンズに取り付けました。島田さんが帰ったあと、私は続けて、まゆ星雲の東隣にあるとかげ座散開星団を2つ、NGC7209NGC7243を狙うことにしました。

多胡カタログNo. NGCカタログ 種類 所在 写具合
なし NGC7209 散開星団 とかげ座


多胡カタログNo. NGCカタログ 種類 所在 写具合
なし NGC7243 散開星団 とかげ座


もう望遠鏡は、露でびしょびしょです。これでは、望遠鏡の射鏡が曇ってしまっているだろうなと思いながらも、アンドロメダ座α星のすぐ南にあるペガスス座系外星雲NGC1NGC2を狙ってみることにしました。撮影した結果はお見せできるほどのものにはならず、星雲は写っているものの、暗くて小さいために、星と同じような点像に近いものでした。イプシロンが628mmという短焦点のために、NGC1NGC2では拡大率が全然足りないことが判りました。

その後、アンドロメダ大星雲オリオン大星雲を狙いましたが、露のために射鏡が曇ってしまい、ぼかしたような写真になってしまいました。白金カイロ2個を付けた望遠レンズも露の多さには勝てずに完全に曇ってしまい、撮影を断念して3時過ぎに片づけをはじめ、帰宅しました。

[以前に撮影済み]
T8 M31 系外星雲 アンドロメダ座


[以前に撮影済み]
T89 M42 散光星雲 オリオン座




1999/10/21

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