シパダン・ログ-2
(水中写真は、"PHOTO" からどうぞ)



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☆ ダイビング事件簿編


その1.ガイドS

ガイドSにシパダンでガイドしてもらった事は一度もない。

しかし、そんなガイドSの話を嫌というほど聞くとは思いもよらなかった。ASPに来て最初のダイビングはチェックダイブであるが、リピーターはチェックダイブをせずに通常ダイブに組み入れられた。 その時のガイドがたまたまガイドSであったのである。

当然シパダンは初めてであった私はチェックダイブの方に行っていたので、この話は聞いただけである事を最初に念を押しておこう。

リピーター組と他1名の計4人+ガイドで、サウス・ポイントにエントリーした。

長旅の後のダイブで疲労が出たのか、エントリーにちょっと手間取った人がいたそうだが、そのホンのちょっとの隙をついてガイドがいなくなってしまった。

この時居た人に状況を正確に表現してもらうと、この時透明度が悪く、それにも関わらず客全員を置いてどんどん行ってしまったのだそうだ。

その時ガイド以外は全員おり、しばらく探したが見つからず一度浮上してボートに戻った。

そして、ボート上からガイドを探し再度エントリーし、ガイドは見つかり事無きを得たそうなのだが・・・。

ガイドからはぐれてしまうというのは偶にあるが、今回の場合はガイド以外の全員は一緒だったので、ガイドがはぐれたというのが正しいであろう。

しかも、客を一人も引き連れず、一体誰をガイドしていたのか誰でも不思議に思う所である。

更に不思議なのは今回のメンバーが

『ガイドがいなくなっちゃうなんて!』

とクレームを付けても

『HAHAHAー』

と笑うだけでまともに取り合ってくれないのだ(注:ちなみにクレームを付けたメンバーは英語がよく喋れない)。

いや、人が少なくなっていたというのなら分るが、一人も連れて行かなかったというのは余りにも不自然すぎる。ましてや、全く反省も言い訳も無いのはおかしい。

そうだ!

きっと透明度が悪かったというので、偶々近くを通りかかったホワイト・チップ(1.5〜2m程度の大きさがあるサメの仲間)4匹を連れて間違えてガイドしてしまったのであろう。

そしてダイビング終わり間近になって、客4人が再エントリーして合流したので、客が付いて来なかった事に気付かなかったのに違いない(驚)!

ううむ、おそるべし?!??

その後は、全てガイドはジェリーが担当していたのでこの話は沈静化していた。ある日の夜、翌日のダイビングスケジュールが載っている白板を見ると、突然ガイドがジェリーからSに代わっていた。この時ジェリーは香港人団体の担当となっていたのだ。

ジェリーは日本語と英語が話せ、ガイドSは広東語と英語が話せる。 となるとジェリーが私達のガイドになる方がコミュニケーション的に問題が少なそうなのだが・・・。

他のスタッフに話を良く聞くと、どうやらガイドSは新人だったらしい。

極端なレベルの低い人のいない私達のグループが扱い易かった為そうなったのか、それともこのグループを相手にするとダッシュが多くガイドが疲れたから代わってくれ、とジェリーがガイドSに泣き付いたのか真相は不明である。

!!!!!!

『ガイド迷子』を経験したメンバーから緊急招集がかかり会議が始まった。

議題はもちろん『ガイドがはぐれたら、どうするか?』である。

散々話したが、結局、そんな不毛な会議には素晴らしい解決策などはあるはずもなく(笑)、 ← ごもっともである。

『ガイドがはぐれたらどうするかをみんなで話し合うなんて前代未聞じゃない?』

という締めで終わりになった。

それでも、どうしてもSのガイドは嫌だという意見が多かったので、結局ジェリーにお願いし(お願いというよりは脅しに近かった)、再度ジェリーにガイドをしてもらう事でようやくこの話は落ち着いた。

※注 この話は全くのノン・フィクションでありますが、著者の独断と妄想が混入しています。

教訓:

一度のガイディングの失敗でここまで嫌われます。
ガイドのみなさん気を付けましょう。


その2.リゾートでの潜り方(ヨーロピアン編)

普通のダイバーならば誰でも知っている事だが、ダイビング用語に『マティーニの法則』というのがある。これは窒素酔いの程度を現す用語で、10m深く行く毎に、カクテルのマティーニを一杯飲むのと同じ様に、窒素酔いが酷くなるという物である。

つまり30mなら3杯マティーニを飲んだのと同じくらい酔うと言う事である。

ある日バラクーダポイントをみんなと一緒に潜っていた。いつものジェリーのガイディングの通り、棚からかなり距離を取り水深25mほどの中層を泳いでいると・・・。

何故か下からダイバーのエアらしき物が上がってくる。下を良く見てみるが透明度がそれほどよくない(透明度は15〜20mといった所だろう)為ダイバーらしき姿は見えない。おまけにここは25m付近なので、この見えない程下にいるという事は水深40〜50m付近にいるという事だ。

まさかと思いつつよく探してみると、案の定、海底の方にダイバーを発見した。

うぉっ、こいつら一体何をしてるんだ・・・。その風貌からヨーロピアンと思われるが、その様子からすると特に何か特定の生物を探している様でもなく、単に泳いでいるだけの様な・・・。

どうも、そこまで深く行く目的がよく理解できない。

まさか奴等は、単に窒素酔いを味わう為だけに潜っているのではあるまいな・・・。

『ワタシタチ、オ酒ツヨイデス。

マティーニ5ハイ飲マナイト酔イマセン。』

と言っているヨーロピアンの姿が浮かんだのは私だけであろうか・・・?

教訓:

窒素酔いを味わいたい為だけに深く潜るのはやめよう。


その3.コバンザメ

いつもコバンザメが単独で泳いでいるのを見る度に、自分の体にくっ付かないかな?と思うのは、ダイバーなら当然であろう(ほんまか?)。

そんな私もその内の一人であった。ダイビングの後半ゆっくり安全停止中に小さいコバンザメが近寄って来たのだ。 これは行ける!と判断した私は、コバンザメの近くで意図的に体を水平にすると、体の上、下とをうろうろしている。

周りの仲間が指を指して喜んでいるが姿が見えない。うーむ、しまった、コバンザメがくっ付いた様だがその姿が自分で見えないとは・・・。

※ 写真は、私のタンクに貼りついたコバンザメ。(写真提供:バディ)

コバンザメ

教訓:

コバンザメを自分に付けても面白くない、他人に付けて遊ぼう!



☆ 島の生き物編


島をうろついて見ると、海辺にはサギ系の鳥。その辺を散歩すると巨大トカゲ(1.5mほどの大きさ。 コモドオオトカゲらしい)を偶に見かけた。

※ 写真は、コモドオオトカゲ。1.5m程もある。

トカゲ

また、夜中に散歩して見つけたという巨大ヤシガニを連れてきてくれたが、どうやらここでは食わないらしい。

※ 写真は、ヤシガニ。かなりでかい。

ヤシガニ

その他には、恐らく飼っていると思われるガラの悪い巨大雄ニワトリ。そして猫2匹である。

また、島の西側にはカメの保護区があり、カメをできるだけ保護する為に、産卵したタマゴを掘り起こし、集中管理している個所もある。

ここでは、カメがタマゴから孵化すると砂浜から子亀のリリースを行う。 チャンスがあれば見に行くと面白い。


☆ 客の様子編


ヨーロピアン2割。日本人4割。香港人4割

香港人の団体が来ていた。彼らのバイタリティは凄い。準備は早く、食事の時間さえもウェットのインナーを着ていて常に潜れる体制である。

きっと寝る時もウェットスーツを着ているのに違いあるまい。



☆ 天候編


ベストシーズンからちょいずれていた様で、タワウに着いたら大雨が降り、雷もなっていた。到着日から2〜3日間曇ときどき雨、後半曇のち晴れ。



☆ ソング編


ASPのガイド達は、実に歌が上手い。 ここに行ったら是非聞かせてもらうと良い。

また、シパダンには『シパダン・ソング』なる物があるのでここに紹介しよう。

これは、ASPだけの物ではなくシパダン共通の歌だというので覚えておいても損はあるまい。

歌詞はとても面白い、また簡単なので和訳の必要もないであろう。 ・・・楽譜を載せられないのが残念だ。


SIPADAN SONG

1.
THERE'S AN ISLAND IN THE CELEBES SEA
THE NAME SIPADAN YOU MUST GO AND SEE
IF YOU'RE A DIVER AND YOU WANT THE BEST
WELL COME GO ALONG AND WE'LL DO THE REST

CHORUS :
WELL I'M GLAD TO SAY THE DROP IS O.K.
BARRACUDA POINT'S NOT FAR AWAY
LOBSTER LAIR IS ALSO THERE
AND THE HANGING GARDENS ARE VERY RARE
2.
DIVERS DOWN AT THE WATERSIDE
LOOKING AT THE DROP OFF WITH AGAPING EYES
WONDERING WHAT'S THERE DOWN BELOW
IS IT A NOBBY'S CLARK OR IS IT JACQUES COUSTEAU

3.
THERE'S A SKELETON IN TURTLE CAVE
YOU CAN GO TO SEE IF YOU'RE FEELING BRAVE
DIVE RIGHT IN UNTIL IT ENDS
BUT DON'T STAY TOO LONG OR YOU'LL GET THE BENDS

4.
WHITE TIP AVENUE AND TURTLE PATCH

OH! THE CORAL GARDEN THERE IS NO MATCH
SOFT CORAL, HARD CORAL AND SEA WHIPS TOO
TROPICAL FISH TO AMAZE YOU

5.
JACQUES COUSTEAU AND CALYPSO CAME
ALL "ZE MICRO PARADISE" HE DID ACCLAIM
DIVERS IN SILVER UP AND DOWN THE REEF
CAMERAS WERE CLICKING THERE WAS NO RELIEF

6.
THERE'RE SO MANY PLACES YOU MAY HAVE BEEN
ALL THE CARIBBEAN ISLANDS THE CORAL SEA
THE BARRIER REEF AND THE MALDIVES TOO
BUT SIPADAN ISLAND IS SOMETHING NEW

7.
BUT I'M SAD TO SAY YOU'RE LEAVING TOMORROW
SIPADAN ISLAND WILL BE FAR AWAY
I KNOW THAT WHEN YOU LEAVE HER SHORE
THERE'LL BE MEMORIES IN YOUR HEART FOREVER MORE

※ ミススペルと思われる部分は勝手に修正してあります。



☆ シパダン総括編


今までシパダンは、”カメとカンムリブダイのみ”というイメージが付きまとっていて、それだけの為にあんな遠い所にわざわざ行くのはなぁ〜、という考えが拭えなかった。

しかし、実際潜ってみると、カメとカンムリブダイに限らずかなりの魚種と量がある豊かな海で、またシパダンの地形の利点を思い知る事になった。

バラクーダ・ポイントなどは当たり外れが大きい物の、当たれば”当たりのパラオのブルーコーナーに匹敵する”とも言える。

シパダン・パラクーダ・ポイント”は私の『独断で決める世界中で一生に一度は潜った方が良いダイビングポイントリスト』に加えられた。

※この『独断で決める世界中で一生に一度は潜った方が良いダイビングポイント』は来年(2003年秋)公開予定(笑)。

そんな海でもあったし、今回のメンバーも最高にユニークであったので、個人的な意見では

今回のシパダンツアーは最高に楽しく過ごし潜れた。

しかし、それでは情報としては全く役に立たないので、客観的に評価してみよう。

シパダンというダイビングポイントを独断と偏見でトータルに考えると、

『海中は最高! 陸上施設は”イマイチ”!』

であろうか。

海中はまさに世界屈指のポイントというのは嘘ではない。 しかし、陸上の各リゾートのレベルは正直言って低く、他のタヒチ、モルディブなどの完成されたリゾート慣れしている人にはかなり辛いと思われる。

従って、ダイビング目的以外には全くお勧めできない。

しかし、ここをリゾートと考えずにダイビング合宿所と考えてダイビングに徹すれば一通りの設備があるの気にする必要はなかろう。

シパダンはマクロから大物まで幅広く見られるが、そのダイビングスタイルから大物のみと割り切った方が良いであろう。マクロ目的で、しかも写真を撮りたいのならガイドフリーで小物の多いマブールの方が快適であるし向いていると思える。

大物狙いならば、マブールからのボートでなくやはりシパダンに滞在した方が本数や潜る時間帯の利で、大物遭遇確率もぐっと上がると思われるのでそれがお勧めだ。

今回大量のバラクーダの群を多く目撃したが、話を聞くとバラクーダの群は常駐ではなく全く現れない時も多い様だ。

もうちょっと情報を収集すれば、ある程度出現時期を予測できる可能性が高い。

しかしいつも思うのだが、マレーシアのクアラルンプール空港は大きくて奇麗だが、余りにも非機能的である。ドメスティック(国内線)への乗り換えや、イミグレーション方法、内部施設や店舗の営業時間などをもうちょっとユーザーの立場から考えて是非とも改善してもらいたい。

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また利用したASPに関しての感想を言えば、他のリゾート(というよりはサービス)BD、PSR、SDC等と異なる利点と欠点が存在する。

欠点は、

  • 料金設定が一番高い。
  • セルフで潜れるDrop Offまでが遠い。その為ナイトなどを潜る時は歩いて行かねばならない。また、潮が引ききってしまう昼間のダイビングも同じ様にリゾートからDrop Offまで歩く必要が出てくる。
    ※ASPからDropOffまでは歩いて5〜7分程度。

利点は、

  • 6ボート・システム。その為早朝からバラクーダポイントに潜れるし、またハンマーを多く目撃したのもDrop Off以外の早朝ダイブである。
    ※他のリゾートは3ボートが標準らしい。

これができないサービスも多いそうなので、大きな利点になろう。リゾートを選ぶ時は目的をはっきりさせて選ぶのが正解である。



※ 写真は、Drop Off CAFEとセレベス・エクスプローラー。

View

番外編: ボートダイブの帰り、たまたま近くにいた『セレベス・エクスプローラー(ダイビング・クルーズ)』 に乗船した。

中はゴージャスで、個人の部屋はパラオ・スポートなどより広く綺麗だ。

潜るポイントは、シパダン、マブール、カパライなどを巡り、主に小物メインのダイビングだそうである。

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