シパダン(2002/9)・ログ-1

(水中写真は、"PHOTO" からどうぞ)


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2002/9/7 〜 9/16まで現地8日(潜ったのは7日間)マレーシアのシパダン島に行き 計25本潜ってきました。

シパダンでは、色々リゾート情報を収集した結果、今回ASP(アブディラ・シパダン・パラダイス)をチョイスしそこに滞在しました。

※ 写真はカメ・・・えっ、見れば分かるって?。

SIPADAN

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シパダンは、マレーシアと言ってもマレー半島ではなく、ボルネオ島(マレーシア・サバ州)の北東の海上に位置し、島一周を歩いて30分程度の島である。

地理に詳しい人なら分かると思うが、丁度フィリピンのパラワン島の西端をちょっと南下した様な位置にあると思うと分かり易い。

また、モルディブとは異なり、同じシパダン島の上に下記の様な数個ものリゾートが共存している

  • ASP = アブディラ・シパダン・パラダイス
  • SDC = シパダン・ダイブ・センター
  • PSR = プロウ・シパダン・リゾート
  • BD = ボルネオ・ダイバーズ

シパダンと言えば、数年前海賊による拉致事件があった事でも有名であるが、それならば逆に現地は空いているだろうという思惑と、半年ほど前にシパダン行ったMN嬢により最新情報もあったので、今がチャンスという事で行く事に決定した。

※ 写真はASP正面入り口。

Enterance

今回仕事の都合、友人の結婚式などの避けてスケジューリングしたが、偶然にもMN嬢、あー嬢、よっちゃん(何れも昨年のパラオ・スポートで知り合った美女)と、更にIMZさんとOGNという美女2名達等と同時期になり合流する事になった。

また、今回参加者全員デジカメを持参となった。 


☆ リゾートまで・・・編


日本からシパダンへの道程は長い。 成田発の特定曜日の便を除くと一般的な往き方は、

  1. 成田又は関空

      [ 飛行機 = 6:40 ]

  2. KL(クアラルンプール)

     ↓ [ 飛行機 =1:40 ]

  3. KK(コタキナバル)−−− ここで一泊

     ↓ [ 飛行機 = 0:45 ]

  4. TWU(タワウ)

     ↓ [ バス = 1:30 ]

  5. センポールナ

     ↓ [ スピードボート = 1:00 ]

  6. シパダン

となる。 2002年9月現在のフライトスケジュールでは3まで来て、1回休み(コタキナバルで空港を降りて一泊する)しなければならない。

うーむ、しかし往きは一泊できるので意外と楽だが、移動しっぱなしの帰りが遠かった・・・。

※ ちなみに、今回センポールナからシパダンへ行くボートで海が大荒れとなり、ボート操縦者が方向を見失い、GPS(位置測位システム)などをカバンから出して来た時は驚いた。 結果的に通常1時間で着く所が倍の2時間掛かってようやく着いた。


☆ 島の様子編


リゾート(ASPSDC、PSR、BD等)は主に島の北側に集中してあり、島の中心部分は木々が生い茂っている。

南国の小規模の島というとヤシの木が・・・というイメージだが、中心部分は大きな板根を作ることで知られているサキシマスオウノキみたいな植物や、マングローブを思わせる様な木などが鬱蒼と生えているジャングルに近い。

ジャングルの中心付近には小さい町が形成されていて、決して観光客向けとは思えない様なクラブ(飲み屋)やリゾートで使っていると思われるベットを作っていた家具工房の様な物が存在した。

恐らく各リゾートで働いているスタッフらの町なのであろう。

また、島には蚊も多い。 蚊などを食べてくれるヤモリもいるが数が少ないらしく、蚊に刺されてしまうケースも多いので虫避けスプレーは必須となる。

また各部屋にはベープマットが置いてあるが、自分が滞在した部屋の物はどうも壊れているらしいし、また停電も多いのであまり期待しない方が良い。

デラックスという名前の建物は火気厳禁なので、タバコはおろか蚊取り線香も使わない方が良いだろう。


☆ 宿泊施設編


寝泊まりする所はデラックスと呼ばれるボロアパートの様な感じの所と、スウィートと呼ばれるコテージタイプの部屋と2種類存在する。

※ 左がダイビングセンター、右がデラックス部屋の建物。

Dive Station & Room

シパダンのリゾート(というかダイビングサービスと言った方がよい)は、どこのリゾート(BD、SDCなど)でも質素で、海水シャワー、温水なしというのが殆どである。

しかし、このASPに限っては一応真水、温水シャワー付きという触込みであり、それがここを選択した理由の1つでもあった(この情報は少々古く現在の状況は不明)。

とは言え、やはりマレーシアの弧島なので、期待してはいけない。

真水と言っても何となく塩味だし、温水が出たのは前半4日間だけで温水を期待してシャワーを浴びたので風邪を引いてしまったのだ。

また、各部屋にエアコンとシーリングファンを完備してあり、冷蔵庫は無い。

部屋のベットにはダニがいるらしく、自分も含め被害者が何人も出たが、体中虫避けスプレーをかけて寝ると刺されないので問題はない。

温水、停電、蚊、ダニは、何とかなった物の、ベットだけがどうしても気に入らなかった。

それは、寝返りうつだけではずれてしまう”ウザイ”ベットカバーと、どう考えてもベットの長さが短かく、ベットの枠があたり足を伸ばして寝られない事であった。

 次に食事だが、食事の時間は下記の様に決められている。

朝食: 7:30〜 9:00
昼食:12:30〜13:30
夜食:19:30〜20:30

また、午前中と午後におやつも出ているし、食パンは常に置いてあるので腹が減ったらいつでも食べる事ができる。

食事自体も全体的に美味い方であるが、偶にハズレる物もある。 また3食全てにフルーツがあった。

形式はフルーツを含め全てビュッフェ形式(要は食べ放題)となっているが、人気商品の場合早くなくなってしまう事が度々あった。

特殊なケースとして、イソマグロの刺身(わさび付き)や最終日にBBQパーティーなどを行った。

BBQパーティーは滅多にやらないそうだが、豪勢かつかなり美味いのでもし滞在中に”やる”という話になったら喜ぶべきであろう。


☆ ダイビングサービス編


到着後、ウェルカムドリンクを飲みながらダイビング誓約書と簡単な施設などの説明を受けるが簡単過ぎてよく分らない。まあいい。

仲間にリピーターがいるので問題あるまい。

説明されていない事も含め、ここでのルールを簡単に要約すると、

  • リピーターはチェックダイブ不要。
  • ダイビングは1日最大6ボートとなる。
  • サンセットダイブとナイトダイブはガイドが付かずバディ潜水となる。場所は"Drop Off" のみ。
  • 基本的にボートはアブディラ前のビーチから出るが、昼間など潮の関係で"Drop Off"まで歩かないとだめな時がある。
  • 器材はボートに置きっぱなしで、次のダイビングには新しいタンクが付けてもらえている。
  • 1日の最後にはボートから器材を撤収し、器材置き場においておく。
  • ウェイトはボートに置きっぱなし(滞在中、ボートが変わる事は少ない)。
  • 前夜に翌日潜るダイビングを白板に書いておく(タンク準備の為)。
  • 翌日のポイントはチェックダイブなど特別な場合を除きリクエスト可能。
  • タンクはアルミ10L。

とこんな感じであろうか。 ダイビングの時間は大凡決められており下記の様になっている。

  1.  6:00 〜
  2.  9:00 〜
  3. 11:00 〜
  4. 14:00 〜
  5. 16:00 (サンセット) 〜
  6. 19:00 (ナイト) 〜
この時間は大凡で、実際の潜水状況に合わせ最低1時間以上は水面休息を取るように変更される。

ガイドはジェリー、ダニエル、シオン、マイケル、とその他1人で恐らく計5人いたと思われる。理由は後述するが、うちらのグループをガイドしてもらったのはジェリーのみであった。

※ 陽気なガイド達。左からジェリー、ダニエル、シオン。

Guides


☆ チェックダイブ編


チェックダイブは "Drop Off" で行う。

チェックダイブ自体は、サンセットダイブやナイトダイブのセルフダイビングの為の道案内的な感じが強く、当然スキルチェックなどは行わない。

まあ、"Drop Off" の海底は、数百メートルまで落ち込むというので、中性浮力の取れない人にマスククリアをやらすのは間違っているのかも知れないが・・・。


☆ 潜ったポイント


シパダンのダイビングポイントは前述した通り全てハウスリーフのみである。従って、ボートポイントと言ってもシパダンの島周りだけとなる。

こう聞くとかなり限定された狭いエリアでのダイビングと思いがちだが、それほど狭いエリアではない。 しかし、ポイントが多い為間隔は近く1ダイブで簡単に2ポイント回るのは容易い。

シパダン自体は1周歩いて30分程の島だが珊瑚礁域が発達している為、島の大きさの3倍ほど半径の広いエリアを潜る事になる。そのリーフの大きさは、ほぼ同じ大きさの島サイズであるモルディブ・ビヤドゥのリーフの大きさを2周りほど大きくした感じである。

ダイビングポイントとしては下図の通りで最初は全ポイント潜ろうと言う気であったが、ガイドのジェリーによると下記に説明していあるポイント以外は、”潜っても何もいないよ”というのでかなり限定したポイントを繰り返し潜る事となった(”何も”というのはカメ、ナポレオン、ホワイトチップを除く大物の事)。

シパダンはその地形の利点がかなり大きく(島周りの海底が深く、周りに島が少ないのでそこに魚が集まり易い)、そのハウスリーフだけでかなり楽しめる。

※ ダイビングポイントマップ (薄い緑の部分は珊瑚礁の浅瀬。ASPとは泊まった場所。)

map


☆ 潜ったポイントと本数

  • ドロップ・オフ −−−−−−−−−−−− 3
  • バラクーダ・ポイント −−−−−−−−− 12
  • ミッドリーフ −−−−−−−−−−−−− 1
  • タートルパッチ −−−−−−−−−−−− 2
  • サウス・ポイント −−−−−−−−−−− 3
  • スタグホーンクレスト −−−−−−−−− 1
  • ロブスターレイヤーズ −−−−−−−−− 1
  • ハンギングガーデン −−−−−−−−−− 2

◎ ドロップ・オフ

ここが、かの有名な”ドロップ・オフ”という名前のポイントで、その名の通り砂浜の波打ち際から5〜6mも海に向かって進むといきなり水深が数百メートル落ち込むドロップオフとなっている珍しいポイントだ。

カナヅチの人を是非ここで泳がせてみたい心境に刈られるだろうが、やめておいた方が良い。

ここで潜ったのは、チェックダイブと、サンセットダイブ、ナイトダイブのそれぞれ1本づつ計3本のみである。

エントリーして20m付近に行くとドロップオフのオーバーハングにハゼが沢山いるが、殆どアケボノハゼであり、大き目の窪みにはカメが寝ていたりする。またクダゴンベ等も多い。

また、ナイトでここを潜ると、複数のカンムリブダイとカメが寝ている。カンムリブダイの歯を磨きたい心境に駆られるが、魚に触ってはいけない。

当然このポイントで寝ているのだから、日が暮れる寸前に潜るとカンムリブダイが帰ってきて寝る様子を、早朝ダイビングすればカンムリブダイ群の出勤様子が見られる。

ドロップオフから北東に流してしばらく行くと、水中洞窟が見えてくる。 これが”タートルカバン”である。

一時期開放されていた時期もあった様だが、現在ガイドなしでここを潜る事は禁止されている。

内部は迷路の様に入り組んでいる上に、一人しか通れない様な狭い個所もあり(入り口はでかい)危険な為である。

ジェリーの話によると、そこにはカメの死骸しかないと言うが一度はちょっと入ってみたい気もする。

※ 写真は洞窟の入り口の警告文。

CAVERN


◎ バラクーダ・ポイント

シパダン最大のポイントはここであろう。そして一番潜ったのもこのポイントである。

さすがに毎日ここのポイントを潜っただけあり、大体ポイントの様子を覚えているので解説しよう。

バラクーダポイントは北東に突き出したドロップオフのコーナーになっていて、その上は15〜20mの棚と5〜8mくらいの棚と緩やかに2段になっている。

いつものパターンは、パラクーダポイントに西側手前からエントリーして、パラクーダポイントのコーナーを回ってコーラルガーデンの方に流すか、このコーナーの棚の上で遊ぶパターンが多かった。

バラクーダポイント手前にエントリーした時に、ツバメウオの群ギンガメ群がいた時は、ほぼ間違いなくバラクーダがいた。潮の関係であろうが詳細は不明だ。しかし、潜った殆どがその法則が成り立った事は事実である。

ちなみに早朝で時間が合えば、この手前のポイントでカンムリブダイの大群も見る事ができる。

また、何もいなさそうな時はマクロに走っても良いポイントである。バラクーダポイントコーナー手前のドロップオフ25m程の所にもアケボノハゼクダゴンベが多い。

またもっと上の方だがタツウミヤッコを見つけたのもこのポイントである。 また、例を上げるとキリが無いが、まじめに探すとハダカハオコゼフタイロカエルウオなどがうじゃうじゃ見つかるのでありがたみは無い。

コーナー付近で見た物は、バラクーダの他、ギンガメアジイソマグロヨコシマサワラなどだ。

また、深い方の棚の上が水路の様になっていて、ここにはよくギンガメアジの大群がいる事が多い(偶にここにバラクーダがいたりする)。流れがある時はここが本当に水の通り道になっている様で流れがここだけきつくなっている事が多い。

棚上周辺にはナポレオン(成魚や幼魚)もうろついているが、人を見るとすぐ逃げてしまう。

水路先にはよくホワイトチップが寝ていて、そこにもツバメウオが群れている事が多い。ツバメウオミカヅキツバメウオナンヨウツバメウオアカククリが同じ場所にいたりして少々驚く。

またその棚の上には、日本ではそれほど多く見られない尾びれが非常に美しいヤノダテハゼが多くいたりする。 浅めの所を良く見ていると1.5mもあるロウニンアジがうろついている事も多い。

カメも棚上にちらほらいるが特に多くない。

またバラクーダがいる場所はこのポイントのどこかが殆どであるが、バラクーダを探そうとして常に棚ばかり見ていてはいけない。バラクーダやギンガメの群が棚とはかなり離れた中層に突然いた事が何度もあったのである。

これらの魚がいつも出現してしまうとどんなに大物がいて魚影が濃くても飽きてしまうが、このポイントははずすとバラクーダはおろかギンガメアジ、ツバメウオの群さえも見る事ができない。

またうちらのグループの何人かがバラクーダの群の下にハンマーがうろうろしているのを目撃している。ガイドの話では、バラクーダの群と一緒にマンタとハンマーを見た時があるというので、バラクーダが出現しても群ばかり見ずに周りを良く確認してみよう。しかし、やはり何事も意外性がある方が面白い。


◎ ミッド・リーフ

ウメイロモドキの群、ハダカハオコゼ等で特に珍しい物は出現しなかった。 ゆっくり潜りたい時などに向いている。

変なウミウシを見つけたのはここである。


◎ タートル・パッチ

ここは、早朝ダイブで2日連続ハンマーを目撃したポイントでもある。 しかし、ハンマーを逃すと、たまにレオパルド・シャークが通り過ぎたりするだけで、後はリーフに戻りカメや小物で遊ぶしかない。

ここで目撃したハンマーは、唯一仲間のあーさんが激写しているので、そちらのサイトを参照して欲しい。


◎ サウス・ポイント

時期によっては、ここにバラクーダの群が出る事があるらしい。 目撃したのは、イソマグロ、ホワイトチップ、鼻水を垂らしたカメ、ワニゴチ、ナポレオン、ハナタカサゴの群などである。

※ 写真は滑走するイソマグロ。

Maguro


◎ スタグホーン・クレスト

ギンガメの群、レオパルドシャーク、カメ、イソマグロなど以外は、特に変わった大物や小物は出現しなかった。


◎ ロブスター・レイヤーズ

特に珍しい物は見られず、小物で遊ぶのが正解。 のんびりしたい時には最適だ。


◎ ハンギング・ガーデン&ウェスト・リッジ

これらのポイントは、大物を追いかけ過ぎて疲れたという時に利用すると良いだろう。

どこにでもいるのだが、クダゴンベ、アケボノハゼ、ニチリンダテハゼ、カメ等、また、稀にドロップオフ側に目をやるとイソマグロが往き来している。

 

※ 写真はウェスト・リッジの水深8m前後。カスミチョウチョウが群れる。

West Ridge


ダイビング・ログー2 へ続く・・・

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