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ライヴレポートのようなもの

ライヴ観て来た記

ANGRA & SINERGY

02’5月22日 大阪・梅田ON AIR

SINERGY

・ステージ

ドラムセットは別に用意されていた。ブラックボディのTAMAツーバスドラムセット。ANGRA用のものは黒い布で隠されていて、その前にドラムが組まれている。前面に出てきてステージのスペースは狭くなるだろうが、その分、ドラマーにもスポットが当たり、その動きや表情が見て取れるので、ドラマーは嬉しいだろう。マイクスタンドは中央に1本、左右に2本で、コーラスはAlexiが特訓の成果を披露する模様(笑)。

・セットリスト

攻性速曲を並べて一気呵成に攻めてくる、理想のセットリスト!オープニングアクトで1時間ということを考えれば、勢いのある曲で圧し捲るのがベストといえよう。そういった意味で、本日のセットはまさにベストであった。東京公演では“Laid To Rest”をやったそうだが、大阪では遅い曲は無用。“The Warrior Princess*”“Wake Up In Hell”“The Sin Trade*”“Shadow Island”(*は東京公演で演奏)なども聴いてみたかったという思いはあるが…。再来日に期待!

オープニングチューンは3rdか2ndどちらかの1曲目と予想していたが、“I Spit On Your Grave”の方が来た。2度目の来日公演であるからこそ、今回に限り“The Bitch Is Back”のオープニングが文字通り活きてくると思ったのだが…。しかしこれで、アンコールの1曲目のポジションに“The Bitch Is Back”が自動的につくことは、想像に難くない。“I Spit …”なら、繋ぎはアルバム通り“The Sin Trade”で一気に突っ走って貰いたかったが、代表曲の一つ“Beware The Heavens”をここで持ってきたのは、時期尚早だった気もする。“Gallowmere”“Me,Myself,My Enemy”でのドライヴ感は、今のバンドの勢いを示していた。

・メンバー

ステージ上での立ち位置は、右からRoope、Alexi、Goss姉、Lauriの順。Roopeは右の方ばかりいたが、他のメンバーは、右に左にステージを駆け回った。Alexiが赤のJacksonランディVなら、Roopeは白のランディVと何ともおめでたいコンビ。Roopeはほとんど私の位置から見えなかったが、Alexiはよく左の方に来てくれた。Alexiは「女性がキャーというルックス」なのだそうだが、デスラッシャーらしいヘッドバンギングはかなり気合いが入っていた。普通にヘドバンしてるLauriが、素人くさく見えたよ。

各メディアこぞっておめでたギターコンビのツインリードを取り上げるだろうが、私はセッションベーシストのLauriをプッシュする。5弦のジャズベースを指弾きして、とにかくぶっとい音を出す。ギターの二人がツインでメロディを弾く“Midnight Madness”では特に効果的で、中低音の音壁が曲を支え、引き締めていた。彼は長身で見た目も格好良く、照明から外れてシルエットになると、最もステージ映えしていた。

・Goss姉

日本のファンは親しみを込めて「キンちゃん」と呼ぶそうだが、わたしにはどうも欽ちゃん走りをするKimberlyを想像してしまうので、Goss姉とよぶ。

Goss姉はクライヴ=バーカーが産み出した魔導士ピンヘッド(映画「ヘルレイザー」シリーズ参照のこと)のTシャツに、袖がシースルーになってるシャツを上に着用。女らしさよりも格好良さを優先した衣装やステージングで、Heavy Metalライヴを演出。本当に素晴しかったと思う。悪い意味で男のものになっているHMだから、中性的なイメージ作りが功を奏した。日本の前にコリアンツアーがあったので、当然そちらで力が入ったんだろう、喉の調子がいま一つだったが、次回は万全の体勢で臨んで貰いたい。

エンターティンメント大国アメリカ育ちのバックグラウンドから、アオリの効いたMCを遺憾なく発揮。「東京名古屋とショーをやってきたが、今夜が最高のリアクションだ。でもまだ広島が残っているから、どうなるかわからないけど。だから、もっとクレイジーになれー!」と、手慣れた感じで客をアジテート。ライヴの進行もそつなくこなし、客とのコミュニケーションもバッチリ。これは、今後SINERGYの魅力の一つになるであろう。

とにかくノリノリで「Are you thirsty?」と言っては、会場に水をまいたりと、ほんとにもう、ヘッドラインのライヴのようである。また、ライヴ前にプレゼントを渡してくれた人へのお礼、毎晩ライヴに足を運んでくれる人達への感謝を述べ、話に聞くGoss姉の人柄の良さがにじみ出ていた。

・スペシャル

“Lead Us To War”では、客席から人を呼び込んでステージに上げた。「warrr - !」のコーラスをファンにとらせるといった趣向。こんな事があるんなら、私今度から最前を死守しますよ。しかしメンバーのコーラスが一切無しというのはあまり得策とは思えない。歌えるベーシストMarco Hietalaが抜けたのは、このバンドにとってはかなりの痛手。今後のメンバー選びで、うまく補えれば良いのだが。

曲のエンディングはそのままLOUDNESSの“Crazy Nights”のリフに!THERIONもカヴァーした、この曲。北欧では、LOUDNESSは人気なのか?!LOUDNESSが関西のバンドと知っての選曲なら、本当にスペシャルだ。Goss姉は白のランダムスターミニモデルを持ってきて、「Akiiiraaa Takasaakiii !!」とご機嫌。そのまま「check me」とプレイしたギターは、派手な音をはじき出していた。「ホントは俺が影で弾いたんだよ」とうそぶいたAlexi。Goss姉は「It's me. Can you believe me?」と訴えていた。この二人のコンビネーションもバッチリである。

本編ラストの“Suicide By My Side”でも、ナント5人もファンをステージに上げての大騒ぎ。もはや、ホームタウンでのファンサービスギグみたいなノリになってきたぞ。期待を遥かに凌いで、会場をヒートアップさせる。次回は絶対最前を陣取るぞ。

短いインターバルから、お待ち兼ねのあのナレーション「…The Biiitch ! Is ! Baaackkk !」ダダダダダダダンとドラムロールが気持ち良く決まるところを、Jannaが何度もブレイクを入れる。「Tricking you!」とGoss姉も冷やかしたりと、リラックスした雰囲気ながらも、ラスト曲もパワフルに演奏。Queen of the damned率いるSINERGYは、シナジー効果を発揮したライヴを終了した。早くも再来日公演に期待大!大!大!である。

(文責:新地昭彦)

SINERGY set list

  1. I Spit On Your Grave
  2. Beware The Heavens
  3. Gallowmere
  4. Passage To The Fourth World
  5. Lead Us To War 〜 Crazy Nights {LOUDNESS}
  6. Me,Myself,My Enemy
  7. Violated8.Midnight Madness
  8. Venomous Vixens
  9. Suicide By My Sideencore
  10. The Bitch Is Back