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last update 05/06/06

 

 

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5.

使用部品、調整

5.1 使用部品


真空管:sovtek製  6BQ5

使用したのはSOVTEK製 EL84です。

 5本購入した中で、一本を解体してしまい、ペアーどりしたものではありません。廉価な2ユニットをそろえることは困難ですので4本のうちから近いものを組み合わせたり、回路上で工夫します。 @1000前後で入手できます。
 SOVTEK製はなかなかつくりが良く、どんなものか聞いてみたくなり今回の計画となりました。
久し振りの多極管です。
 なお、@600程度で入手できるSvetlana製SV83もテストしましたが、大変良好でスクリーンの損失が少ないUL方式の場合、バイアスを若干調整するだけで、そのまま差し替えられます。(若干gmが高く、裸DFが10%ほど大きい。ばらつきは20%くらい)
 このソヴィエト製の2種類はプレー形状、ガラスチューブ、雲母板とそのカシメ方法が同じで、製造工場が同じか、部材を共用して製造しているものと思われます。
 注意事項としては7189Aとは1PINの扱いが違いますので、差し替えられる際は、現物で確かめてください。
 7189Aはグリッドの放熱の為1PINがG1(2PIN)と接続されており、SV83などはG3とカソードにつながれています。6BQ5/EL84、7189はIC(インナーコネクション。普通はNCで下側雲母板の補強に使われている事が多い) 中継スタッドなどのかわりに1PINは使わないことです。

 







FET:2SK389GR 東芝製

ペアFETで入手が楽なものはこれだけでしょう。ノイズが最小になり始めるIdss 3〜4mAで使っています。 差動片側で20倍以上のゲインがあります。

Tr:2SA1480 三洋製 等々
毎回使っているものです。ただ6BQ5のように、gmが高く比較的高感度な多極管には ft=200MHz、Cob=25PF位の旧式なTrの方が位相補正の際に楽です。バイアスが浅いタイプの真空管には、高性能Trは向きません。

Tr:2SC1815 東芝製
耐圧が50v以上、250mWクラスの小電力用シリコンTr。多品種ありますのでどれでも使えるはずです。

Tr:2SC3790 三洋製
2SA1480とコンプリメンタリ品です。
シャーシに直に取り付けて放熱させています。






ダイオ−ド:

整流用
ERB83−006 富士電機製 ショットキ−バリアダイオ−ド 60V 2A 0.58Vfm
ERB43−06  富士電機製 ファーストリカバリダイオ−ド 600V 0.5A

ERB43−06はできれば800V耐圧のERB43−08、ERB44−08をお使いください。各社の同等品で可能です。

 

 

トランス:

出力トランス   :TANGO U25-8K タンゴ旧製品のストック 現行はFE25−8
電源トランス   :ISO  PH185 
チョークトランス :NOGUCHI 5H180

FEの評判はいいようですがまだ使っていません。

5.2 調整







  ドライブ部分の調整に関しては、配線さえ正確であればほとんど設計どおりの電流電圧値となります。2SA1480のエミッタ側VR2、VR3を中点に置き、6BQ5のバイアス電圧を所定の値になうよう設定してから(固定バイアスで、グランドから−10.5〜−11.5V付近)6BQ5をさしてカソード電圧を測定し、各々の電流値を30mA/305V(トランス250Vタップ)前後になるよう調整します。20mA以下ですと最大出力付近でクロスオーバー歪が発生します。
NFBは好みですので、使用環境に合わせて調整いたします。no-NFBで DF=0.65ほどありULの効果がでています。
5.3 ドライブ側
位相補正


出力側
位相補正
 ドライバ段 pnp側2SA1480のベース、コレクタ間に、小容量のC3、C4を入れてみます。バンド幅があまりに広すぎると発振など不安定さが生じます。上下のリンキングのにのも効果がありますので、同じになるよう左右で値を換えて調整します。

 また半導体ドライブですので出力のトランス側が帯域が一番狭くなりますので、出力側で位相補正を行います。3極管ならほとんど必要ないのですが、多極管の場合は出力 ∞Ω+0.1uFで少々不安定になります。
 2章∞Ω+0.1uFの写真程度まで位相補正してやります。
 10KHz〜20KHzの方形波を出力し、R18とC19の組み合わせを変えながらオーバーシュートが希望の範囲になるように調整します。
 R18が低いと出力のロスが大きくなりますので出力トランスのインピーダンスの4〜5倍以上あたりの出力がさほど落ちない範囲で決めておき、C19側でリンギングを観測しながら調整します。
 なお入力にローパスフイルターを挿入し、バンド幅を適度に狭めておくと高い周波数まで入りませんのでさほど気にならなくなります。どうせ聞こえないのですから、必要十分な幅で妥協します。NFBは入力に信号を戻すのですから、高い周波数(今回では20KHzあたりから目だって)必ずTIM歪を生じます。