フルニエの来日ライヴCD化は…“美味しすぎるがな!” |
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この度、往年のFMクラシック番組「オリジナルコンサート」
がCD化されることになった。最近、古い放送音源のライブを無編集(編集する素材がないから当然だろう)で、CD化する動きが相次ぐのは嬉しい。 |
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フルニエのバッハのイメージといえば、気品の漂った演奏ということだが、喜多尾道冬氏の言葉を借りれば、50歳代の録音は強烈な探究心を合わせもち、やがて晩年の録音は冬の炉端のしみじみとした談話だという。その中間期の72年・虎の門ホールでのライヴは、
より成熟した探究心の実りを、放送録音らしいシンプルで
クリアな音質で 生々しく伝えるものだった。
(テープとCDのごく些細なピッチの差に気づかれるかもしれませんが、当時の民生用テープレコーダの限界につきご容赦ください。 |
エア
チェック・テープの波形 CDの波形 |
CDでは楽器が1ランク上になった様に、音色にツヤが出て、会場や観客まで豪華な雰囲気になった。民生用機器とプロ用機器の差だけではない。残響等を付けた音の改良や美化が行われていて、気軽なラジカセには良さそうだが、本格的な大型装置では余計な加工に聴こえそうである。 |
クラシック番組の最盛期に、17年間も続いた「オリジンナルコンサート」は名演奏家のライヴの宝庫であり、CD化は待望の作業だからこそ、つい高望みの注文になるのだが、マスタリング担当の斎藤啓介氏もレコード芸術誌で次の様に語っていた。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 同じ頃、ポ−ル・トルトゥリエ、アンリ・オネゲルという名手のFM放送もあった。いずれ、どんな音でCD化されるかを楽しみに、まず、エア チェックしたオリジナルの音を聴いておいていただきたい。 |
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