「玉手箱」を開けてしまった あなたへ このページを飛ばして「目次」へ進む
元来、玉手箱は開けてはいけないものです。
開けると、中に封じ込められていた歳月が瘴気となって立ち昇り、思わぬ被害をもたらすからです。
この「私の作品保存館・玉手箱」も同様の性格をもっています。
他の「各館」がたかだか退職後十年程度の手遊びを収めているのに比べて、玉手箱には四十数年の歳月が封じられています。瘴気が白煙となって立ち上る可能性があります。
できれば、蓋を閉めたほうが宜しいかと思います。
⇒危険を回避して蓋を閉める
有り体に申しましょう。
この玉手箱には、亭主が家人の誕生日に毎年贈った「詩」(あるいは詩もどき)が収納されています。
もともと、他人の目に触れる筈も無い、特定の一人のみを読者にして生み出されたシロモノです。
ところが、「保存館」開設を耳にした詩の所有者が「ひとりで背負っているのが重荷になってきた。保存館に入れて欲しい」と言い出したのです。
夫婦間の私事を公開するには躊躇がありました。しかし、従来通り家人に秘蔵させつづければ、いずれは子や孫が始末に困ることになるでしょう。それなら保存館に入れてしまおう、と思案した次第です。何十年も前の作を復刻するには忸怩たるものがありましたが、その性格上、一切の修正、削除を控えて元のままに掲出しました。
そんな下らないものは見たくもない、という方は、白煙上昇前に蓋を閉めてください。
⇒蓋を閉めて立ち去る
何事も気にしない、という方のみ次へお進みください。
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