原子力発電所の予定地

週刊金曜日を読む 2018-06-08

作成日:2019-11-14
最終更新日:

上関町にある祝島

不謹慎な旅第1回として、フォトジャーナリストの木村聡さんが月1回で連載する記事である。 場所は祝島と上関原発建設予定地である。上関町は山口県の室津半島先端と長島・祝島・八島などの島で構成される。 上関原子力発電所が建設される予定地は長島の西端にある。記事は、長島から海を隔てて西にある祝島での反対運動の活動を報じている。 私はてっきり、反対活動は魔が島で行われていたと思ったのだが、これは勘違いだった。 実際には対岸の祝島だったわけだ。なお、長島でも反対運動があるかもしれないのだが、そこはこの記事からはわからない。

私は、原子力発電所の新設・運用には基本的に反対である。原子力発電の危険性もさることながら、 その発電所を作るための方法というのが実に汚らしく、えげつないことが何度となり取り上げられているからだ。 ただ、この記事ではそのような汚らしさを声高に伝えるというよりは、むしろ、 祝島住民による反対運動の地道さと、祝島から見える景観の貴重さを知らせている。さて、 記事の最後の段落では次のような文がある。

原発の準備工事が 2009 年に始まり、上関町にも多額の交付金が入り始めた。 それで立てたひとつが温泉施設「鳩子の湯」だ。

鳩子、という名前には聞き覚えがあった。確か、NHK の連続テレビ小説に「鳩子の海」があったのではなかったか。 やはり、上関町は、「鳩子の海」の舞台になった土地だった。

ダークツーリズム

この記事のリードは、不幸な歴史を背負った地を旅行する「ダークツーリズム」、とある。 この地のように原子力発電所の建設に向かって工事が進みつつあるところの旅行はこれにあたるだろう。 私は、建設予定地となりながら結局中断した地も含めて旅行していたことがあった。負の遺産の旅行記参照。

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MARUYAMA Satosi