金子タカシ:詰みより必死

作成日 : 2023-10-28
最終更新日:

概要

「まえがき」から引用する。

将棋の価値を決めるうえで大事なことは玉を詰ますということ。そしてこの仕上げとなる終盤戦に逆転劇がまた多い。(中略) 現実的にはギリギリの攻め合いから華麗な超手数の詰み手順で勝利を得ることより、短手数の必死を掛けて勝つ順を狙うといった終盤の組み立て方がはるかに多い。

感想

必死の手筋に「腹銀」がある。類似用語の「腹金」と合わせて、ここでの「腹」は脇とか横とか側面などの意味である。腹金は王手だが腹銀は王手ではないので地味だ。 しかし、腹銀は必死では必修の手筋だ。本書の p.66 の第27問の解答と解説の表題は「腹銀は忘れたころにやってくる」だ。 寺田寅彦の言としてよく引用される(そして寺田寅彦の書には見当たらないという)「天災は忘れたころにやってくる」がどんな場面にでも使えることばだ、というあかしだろう。

金子タカシの本

書誌情報

書名 詰みより必死
著者 金子タカシ
発行日 2003 年 7 月 14 日 第 1 刷
発行元 毎日コミュニケーションズ
定価 700 円(本体)
サイズ 文庫版
ISBN 4-8399-1151-7
その他 草加市立図書館にて借りて読む

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MARUYAMA Satosi