小学校6年のとき、担任のS先生が将棋が強く、そこで将棋を知った。 S先生の名前をインターネットで検索したところ、 将棋の棋道普及員をなさっているようだ。
中学校1年のとき本格的に打ち込んだ。 一番強かったのが高校2年のときだろう。 小田急町田店の夏休み将棋祭りで高校の部3位になった。これが唯一の自慢である。 あと一回、やはり高校2年のとき相模原市の将棋大会で級位者の部2位というのもある。
大学時代は特に何もしていない。
社会人になってから、暇な時期に道場に通っている。 また週刊将棋を買って将棋の感覚を忘れないように心がけていたが、 いろいろな都合で、週刊将棋は買っている時期と買わない時期がある。 2009年10月以降は買わなくなった。
昔は道場では二段で指すことが多かったが、 今は初段で指す。 正式な免状は日本将棋連盟が主催した1996年の段位認定大会で取得した(4勝1敗の)初段である。
将棋倶楽部24にも昔は出入りしていたが、現在レーティングで4級まで落ちたため、休止中である。 最高レーティングは 1500 と少しである。( 2009-11-26 )
将棋メーリングリストにも参加している。 1996年に、ここのオフミ(オフラインミーティング)に参加した事がある。 場所(杉の宿)もゲストもよかったが、 何といっても収穫は谷川俊昭さん(谷川浩司竜王の兄)と話ができたことである。 私はいっぺんに谷川俊昭さんのファンになった。
翌年は事情があり参加できなかった。 1998年は参加した。参加記を書いているので暇な方はどうぞ。
なお、高校のときは将棋部がなかったため、いやいやながら囲碁同好会に所属した。 囲碁は1級までにはなった。一度同好会内のリーグ戦で優勝した事がある。 私より強い人はいたが、きちんと置碁でハンディキャップをつけていたのである。
どうでもいいことだが、 囲碁と将棋はゲーム一般において位置づけが同じくされることが多いためか、 似た概念を違うことばで説明する。 これらの言葉を混同すると双方のファンから怒られるので、区別しておこう。
将棋 | 囲碁 | 説明 |
---|---|---|
指す | 打つ | ゲームをするときの動詞 |
定跡 | 定石 | よいとされる決まった指し方(打ち方) |
駒落ち | 置碁 | ハンディキャップのつけかた |
以下の将棋道場で指す(指した)ことがある。
2019 年までは新宿がほとんどであった。個々の品評はしないでおく。(2021-05-12)
私が好きなプロ棋士は有吉道夫九段である。理由は次の通り。 私が将棋に興味を持ち出して、新聞の将棋欄を見た。 そのとき掲載されていたのが有吉九段とどなたかで、結果が有吉九段の勝ちであった。 このときからのファンである。
有吉九段は序盤の作戦がうまいことで定評がある。火の玉流と呼ばれる過激な攻めは健在であったが、 惜しまれつつ引退した。
あるとき、インターネットで情報を探していたら、 ピアノを弾いて有吉九段を尊敬する若い人がいるので驚いた。
昔メーリングリストで、棋士の人気投票をしたとき、 有吉九段の他に、他には吉田七段と武市六段と書いた。 それから、先崎六段(当時)には1996年、飯野七段には198?年指してもらったことがある。 この2人もファンである。
将棋メーリングリストで「先手有利は本当か」について議論されたことがある。ここでは統計上どうなるのかを調べてみた。 始めに断わっておくが、統計だけで先手が有利かそうでないかがわかる、ということをいいたいのではない。統計でどこまでわかるかを知りたいだけである。ここではほんの入り口だけである。
週刊将棋1998年4月29日号によれば、平成9年度の将棋対局のうち勝負がついた対局は2185局、そのうち先手勝ちは1142局、後手勝ちは1043局である。この数字だけから判断すると、先手と後手の勝率は同じといえるか?というのが今回の疑問である。
通常の統計では仮説検定を用いるが、今回は情報量統計に基づくアプローチをしてみよう。このアプローチは、統計モデル(従来の仮説に相当)を複数作成し、これらに対してAIC(赤池情報量規準)と呼ばれる数値を計算し、比較することでよりよいモデルを採用するというものである。
詳細は参考文献を見てもらうことにして、計算式だけ示す。
先手と後手が同等だとするモデルをAIC(0)、先手は独自の勝率をもつというモデルをAIC(1)とする。両者のモデルから計算されるAICを比べて、小さいほうをより真に近いモデルと判断するものである。ここでlogは自然対数である。
AIC(0)=-2*2185*log(1/2) = 3029.05
AIC(1)=-2*(1142*log(1142/2185) + 1043*log(1043/2185)) + 2*1 = 3026.57
これから、先手は独自の勝率を持つというモデルがより真に近い、すなわち先手が有利だというのがこの統計からわかることである。
だからといって未来永劫に先手が有利というわけではない。たとえば昭和55年度のデータを使うと、先手後手は同等というモデルがより真に近いことがわかる。 それに、何にもまして、前提を明らかにしていない。将棋という複雑なゲームの、 人間という複雑なシステムの対局であるということを無視している。 したがって、きちんとした結論を出すには、 以下の事柄を考慮しなければならない。
そして、これらの相互作用を考慮して解析を進めることが必要であることももちろんだ。 そして、たとえこれらの解析が進んだとしても、結局行き着くところは人間対人間の戦いの中味である。 統計によるアプローチは、どこまでが統計でわかり、 どこからが統計でわからないかを見極めることなのだから。
追記:1997年度のA級順位戦は先手の勝率が7割近いのではないかという指摘がなされている(正確な調査は行っていない)。 また、1998年の(谷川浩司名人対佐藤康光八段(当時))名人戦は第1戦から第6戦まですべて先手が勝っている (第7戦は後手番の佐藤が勝ち名人位を奪取したのはご承知の通り)。 これから、やはり将棋は先手が有利ではないか、という意見が出てきている。 事の正否はわからない。統計としてできることは、たとえば次のような仮説を立ててそれが検定できるかどうかだろう。
仮説:強い棋士は弱い棋士より、先手番で勝つ確率が高い。
どのように強い棋士と弱い棋士を分けるかといった問題を明らかにして、 さらに行き届いた結果を出したいと思っている。(1998 6/13)
さらに追記:2008年度 (2008年4月1日から2009年3月31日まで)のプロ棋士の対局結果は、わずかではあるが後手が勝ち越した。 数字を覚えていないので申し訳ないが、おそらく有意な差ではないと思われる。( 2009-11-26 )
坂元慶行、石黒真木夫、北川源四郎:「情報量統計学」1983、共立出版