将棋メーリングリストで行っているオフラインミーティングに参加した。 1998 9/5,6は指しオフ、合宿形式のオフミになる。合宿形式でのオフミは今回で第4回になる。 ここでは少しその話をしてみよう。
合宿場所は神奈川県湯河原の「杉の宿」。将棋・囲碁関係の合宿所として非常に有名である。
対局場も広く、温泉もあり、宿泊部屋もきれいで非常によいところである。
集合場所は東海道本線の湯河原駅。
だいたいのメンバーは東京発熱海行きの12時10分湯河原着の快速アクティーに乗ってくる予定である。
私は東京から乗っていった。川崎で幹事のYさんに会った。
この日Yさんは愛用の駒を何種類も持ってきていた。
湯河原駅には当初の予定のメンバーはほぼ到着していた。
そのうちの6人ほどでそばやに行く。ソニーの例のヴィデオカメラの話で盛り上がる。
飯を食ったあとはまずはタクシーに分乗して杉の宿へ。だいたい1300円くらいだった。
宿に到着し、2時あたりから対局を始めようとしたところ、問題が出てきた。 一つは参加予定のKさんがまだ到着していないこと、 もう一つは参加者が計15人のために必ずあぶれる人が出てくることだった。 結局、当初案にあったとおり、コンピュータ将棋の「最強東大将棋」を参加させて、 遅刻のKさんとあたらせることにした。「最強東大将棋」の棋力は、開発者棚瀬さんの言に従い、 1級とした。
対局のほうは、割り振りの担当のY'さんがぬかりなく準備していた。 スイス式トーナメントでソルコフ方式で順位をつけるプログラムを表計算ソフトで組んでいた。 これにしたがって対局が進んでいった。もちろん駒はYさん所蔵の立派な品を使わせて頂いた。
手合い割りは厳しく、1段差では下位者先手であるもの、2段差で飛車落である。
これぐらいしないと上手に有利になるからというのだ。
私は二段で登録していた。対局者を楽しみにしていた。
初戦は初段のSさん。Sさんがまっしぐらに矢倉にするのを見て久しぶりに矢倉中飛車をやってみた。 飛車交換になり、私のほうの陣形が飛車打ちに強かったのが幸いし、勝つことができた。 もっともうれしかったのもこの日だけ、後でSさんには痛い目にあうことになる。
第2戦は二段のTさん。私の四間飛車にTさんは左美濃で対抗する。私は玉頭から動いていき、 上部を圧迫して勝った。局後の検討でTさんがいうには、 攻められる前に自分の玉の脇の垂歩を払うのをやったつもりになって、 別の手を指してしまったということだった。
第3戦は四段のSさん。とてもかなわない相手だと思いつつ、定跡無視の6筋位取り振り飛車で挑んだ。 序盤早々銀の丸損というとんでもない事態にもめげず辛抱し最後にからんでいったところ、 望外の詰めろをかけることができた。 最後にSさんの打った桂馬の王手に対して玉の逃げかたを間違ったために頓死してしまった。 負けてしまったものの、最後のラッシュは自分でもよく指せたと思っている。
最終の第4戦は駒を持ってきてくださった二段のYさん。使ったのは美しい書体の一字駒であった。 Yさんの力戦中飛車の対応を間違え、苦戦に陥る。しかし最後に放った角成の勝負手が奏効し、 三勝目をあげることができた。
他の対局も滞りなく進み、夕食前にはすべての勝負が終わった。順位はすでにわかっていたが、 表彰式は翌日になった。
飯を食いながら自己紹介があった。Y'さんが作った名札には名前と所属が一目で分かり便利である。 メーリングリストであるのでほとんどが、「名前@(勤務先|居住地|プロバイダー)」 という書き方である。
私は自分の紹介でこう挨拶した。「去年の合宿に参加できなかった理由は結婚の準備があったからです。 ちなみに結納は森下八段の結納の翌日、結婚式は森下八段と同日で、森下先生が好きになりました。」 すると第2戦の相手のTさんが私に悪手^H^H握手を求めてきた。
そこそこに酔ったあとで、みな温泉へと繰り出していった。 すぐには行かなかった人たちの間でしばらく他愛のない話をしていた。 参加者の一人のIさんが自己紹介で、 「所属はホームページです」といって皆を笑わせていた話をネタに、 インターネットの略語やポリシーの話をしたのを覚えている。
風呂上がりには酒を飲みながらの将棋や麻雀になる。わたしは将棋をすることにした。 対局場へ行ってみると3対3でリレー将棋をしているので、終局を待って入れてもらうことにした。 私が参加したのは4局でそのうち3局は私のいた側が勝ったのだが、どうも私一人弱いような気がした。 ともあれ、相撲の稽古と同じく、自分で指すだけではわからないことに気づくことが多く、 勉強になった。
リレー将棋は午前一時でお開きになり、そのメンツの大半が麻雀部屋へ出かけた。 そのうちの何人かはさらに麻雀を打つことになる。私もその一人だった。 半荘3回やってすべてラス、 しかも最後はハコになってしまったというみやげまでついてしまった。
将棋で緒戦にあたったSさんが鬼強で、最初に四暗刻をツモあがりしてそれから無敵だった。
四暗刻のとき私は親だったため叩きのめされてしまった。
それから東大将棋に唯一土をつけた遅刻のKさんが強く、
捨て牌をけっこうカブっていた割には浮いていた。
麻雀は4時45分にお開きとなった。その後忘れ物があったりして、
床に就いたのは5時ころだったと思う。
みなけっこう朝はきちんと起きていて、きちんと飯も食っていた。
あの挨拶をしたIさんはごはんを何杯もおかわりしていた。
朝風呂があるというのがいいのかもしれない。
表彰式は朝10時から行われた。表彰状はプリンターを持込んでその場で印刷したものである。
これもY'さんの準備の賜物である。
三位には遅刻のKさん、二位には私を第3戦で負かしたS'さん、
優勝はそのS'さんに勝ったT'さんだった。四位はなんと東大将棋。
なみいる強豪に駒落ちの下手で勝ったからである。
わたしは五位に食い込み、運よく「表彰状」を手に入れた。
五位、十位、十五位はたまたま表彰状がもらえるようになっていただけである。
帰りはS''さんの車で送ってもらった。湯河原駅から乗った人たちは、
本を読んだり、モバイルでメールを読んだりしていた。私はほとんど寝ていた。
今回のメーリングリストに参加した皆様、 特に幹事で高級駒を惜しみなく使わせて下さったYさんに感謝いたします。
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