日本将棋連盟書籍・編:ラクラク詰将棋 基本手筋集

作成日 : 2025-11-08
最終更新日 :

概要

[はじめに]から引用する。

本書は、級位者を対象として、簡単に解ける詰将棋を 216 問収録した問題集です。(後略)

奇数ページに2問がヒントとともに掲載されていて、次の偶数ページで解答と解説がある。「第1章 やさしい詰将棋」では3手詰問題が 50 問、5手詰問題が 50 問、中間試験問題(3手詰または5手詰)が 8 問ある。 「第2章 ちょっとやさしい詰将棋」では5手詰問題が 50 問、7手詰問題が 50 問、中間試験問題(5手詰または7手詰)が 8 問ある。

感想

第2章はかなり骨があり、数問答を見た問題があったが、残りは全問解けた。ただ、私が解けた理由は、手数が明示されていることに加え、 ヒントがかなり具体的な問題が多かったからだと思う。ヒントがなければ解けなかった問題は10題以上あっただろう。なお、中間試験問題全 16 問はすべて解けた。

難度

「第1章 やさしい詰将棋」と「第2章 ちょっとやさしい詰将棋」という、形容詞と副詞の使い方には違和感がある。通常易しいとか難しいという場合、 難度が2次元で表わされていて、難度の基準が原点となっている。仮に難度が直線で表わされていて右側にいけばいくほど難しくなり、左側にいけばいくほど易しくなるとしよう。◎を原点として直線で難度を表現しよう。 ここで難度を表す作品4つをそれぞれA、B、C、Dとする。

易←────A────B────◎────C────D────→難

ここではAが最も易しく、Bが次に易しい。Cは多少難しく、DがCよりさらに難しい。難しいとか易しいとかは、相対的な基準だ。

ところが本書では、◎が明らかになっていない。おそらく上記の例でいえば、Aがやさしい、Bがちょっとやさしいということだと思うが、基準がどこにあるのかわからない以上、 「やさしい」と「ちょっとやさしい」の区別が意味がないように思える。仮に基準が「級位者を対象として」いるというのならば、それは意味がない。というのは、 級位者というのは初段未満全般を指すことばで、将棋のルールを覚えたての初心者から初段に近いかなりの実力者までを含むからだ。

自分のことを例に出して恐縮ではあるが、私にとっては、自分が免状初段であり、つい最近まで将棋倶楽部24で1級と初段の間あたりであったこと(2025 年 11 月以降は将棋倶楽部24を指していない)から、 基準が3級から5級あたりで、第1章が「やさしい」、第2章が「難しい」としてもいいのではないかとも思う。

解けなかった問題

簡単に解けるとは本書の[はじめに] に書かれていた文言だ。第1章の問題は多少時間をかけたものも含めて全問解けたが、第2章では解けなかった詰将棋がいくつもあった。 この際恥をさらして書こう。以下、詰方を先手と称し、玉方を後手と称する。

右の第2章第63番が解けなかった。桂の活用でとどめが刺せるように誘導してください。というヒントがあった。おそらく、先手の3五の桂を2三か4三に不成で跳ねて詰む形だろうと想像したが、 突き詰めて考えていなかった。

私が考えていたのは(結果は誤りであったが)☗4四角である。☖4四同飛ならば☗2三金☖3一玉☗3二金まで。また☖3一玉ならば☗2三桂不成まで。また☖1二玉ならば☗2三金まで。 従って後手は3三に合駒をする一手だ。仮に☖3三歩としてみよう。すると、☗2三金☖3一玉☗3二金、まで簡単に詰む。ということは、3三の合駒は3二に利く飛車か金でないといけない。 ☖3三飛ならば、☗同角成☖同飛☗3二飛☖同飛☗2三金☖3一玉☗3二金まで詰みとなる。しかし、☖3三金の合駒で詰まない。この


右の第2章第85番が解けなかった。竜を働かせないように攻め手順を工夫してください。というヒントがあったが、私の読みではどう工夫しても竜が働いてきてしまうのだ。

私の読み筋はまず☗2三桂だった。☖同龍であれば☗4二馬ですぐ詰む。だが☗2三桂に対して☖4一玉と逃げられて以降どのように指しても詰まない。

もう一つの読み筋は☗5三馬だった。これに関しては☖4二合と☖4一玉がある。まず前者の☖4二合から考えよう。

仮に合駒を歩としてみる。☖4二歩に対して☗4三桂と打ち、☖4一玉に☗5一とでも☗5二とでも詰む。4二への合駒が歩だったのでどちらでも詰んだ。ということは、金や飛などの横に利く駒ならば☗5一とだし、 銀や角などの斜め後に利く駒ならば☗5二とで詰む。横と斜め後の両方に利く駒は馬か龍しかないが、打つことはできないし、2二の龍が移動してきても後手の駒の利きの数が足りないのでそのまま☗4二馬で詰む。 私は結局☗5三馬に対して詰める筋がわからず、☖4一玉に対しての次の手も読まず降参したのだった。

話を戻す。☗5三馬に対しては☖4一玉しかないが、そこで次の手が全く浮かばなかった。答は本書を見ればわかるが、そうか、という手だった。ひょっとしたらこの手から始まる5手詰だったらわかったかもしれないが、 結局この7手詰が解けなかったのだから何を言っても無駄である。


右の第2章第88番が解けなかった。相手の駒を逆用するのも高等技術の一つです。というヒントがあった。しかし、私にはこのヒントはうまく伝わっていなかった。 おそらく、ヒントでいう相手の駒とは具体的には1三の角を指していると思われるが、活用の手順が結局わからなかった。解答を見て初めて、逆用の手順がわかった。

もっとも、仮に後手の1三の角がいなければもっと早く簡単に詰むから、逆用ということばのニュアンスとは違っているように感じる。

思えばこの第88番の詰み形は、本書第1章でも一度は(ひょっとしたら何度も)お目にかかっている。これがわからないのだから恥ずかしい(〃ノωノ)。


右の第2章第89番が解けなかった。先手の初手は☗2三飛に限られるだろう。このとき、後手は☖1四玉か☖1二玉かの二者択一であるが、☖1四玉が詰まないと思い込み、白旗を掲げた。 解説を見ると、☖1二玉の場合しか書かれていない。☖1四玉としたらどうなるのだろうと考えると、なんと☗1三金で詰んでいる!これにはがっかりした。


右の第2章第99番が解けなかった。解答の初手は有力手として考えなかった。というのも、その先の3手めと5手めが浮かばなかったからだ。やはり私は初段の力がないのだろうか。


盤面図

盤面作成には、局面図をWebで作成(sfenreader.appspot.com) を用いている。作者の shibacho2 氏に感謝する。

書誌情報

書名 ラクラク詰将棋 基本手筋集
編者 日本将棋連盟書籍
発行日 平成 15 年(2003 年) 2 月 5 日 第 2 刷
発行元 日本将棋連盟
定価 1000 円(本体)
サイズ
ISBN 4-8197-0164-9
その他 草加市立図書館にて借りて読む

まりんきょ学問所将棋について将棋の本 > 日本将棋連盟書籍・編:ラクラク詰将棋 基本手筋集


MARUYAMA Satosi