副題は《『詰むや詰まざるや』を読み解く》。
なかなか難しい。難しいのも道理で、私が詰将棋のことをほとんどと言っていいほど知らないからだ。
著者の若島氏は以前、上田吉一『極光21』の解説で、上田氏の古図式観に感嘆している。以下同書の p.185 から引用する。ここで『妙案』とは久留島喜内による詰将棋作品集『将棋妙案』(全100局)を指す。
上田さんとしゃべっていると驚くことはいろいろあるが、実はわたしがいつもびっくりさせられているのは、古図式観に対する知識の豊かさである。たとえば、「妙案」の第何番というように、どれでも空で引用できるのだ。 これは凄い。わたしなどは、ぼんやりとした図面の記憶はあるものの、それが第何番だったかなんて憶えていない。
「図巧」と「無双」を全局自力で解いたという人は多いだろうが、その第何番はこういう詰将棋だったとすべて記憶している人はたぶんいないはずだ。 これはよほど上田さんが古図式を何度も並べ直した証拠に違いない。
このように若島氏は書いているが、実際本書で上田吉一氏との対談を読んでいると、無双の何番とか、図巧の何番とか平気で諳んじている。お二人とも恐ろしいと感じるのだった。
もっとも、それはお二人が詰将棋への愛、とりわけ古図式を愛するがゆえに、結果として詰将棋を特定するための作者と図式の番号を諳んじられるようになったということは、わかる気がする。 私の詰将棋愛はお二人に比べればほとんどない。ただ、人間は好きな分野であれば自然と覚えてしまうものなのかもしれない。
私は古典音楽を昔から聴いていて、特定の作曲家には作品番号(通称 Op. と称される)が付与されている番号をある程度は覚えている。ベートーヴェンやシューマン、ブラームス、フォーレ、ドヴォルジャークらには百数十の作品番号が、 ショパンやラフマニノフには数十の作品番号が付与されていて、作品や作曲家が好きな人であれば作品番号の数字で作品が特定できる。 たとえば、フォーレは作品番号の数字が一番大きいのは 121 である(欠番・枝番もあり、作品番号のない作品もあるのでフォーレの作品数と 121 は一致しない)。 私の場合は一番好きなフォーレでも作品番号で特定できる数は 20 あるかどうか、恥ずかしい。
閑話休題、そんなお二人だからこそ、無双や図巧の番号が本書のあちこちで出てくるが、ではどの番号がどのページに出てくるか、そのような索引はなかった(人名索引はある)。そこで、『将棋無双』と『将棋図巧』に限り、 このような索引を作ってみることにした。
『詰むや詰まざるや』こと、『将棋無双』の引用された番号と解説ページの対照表を作った。
同様に『将棋図巧』の引用された番号と解説ページの対照表を作った。
| 書名 | 詰将棋の誕生 |
| 著者 | 若島正 |
| 発行日 | 2024 年 8 月 21 日 初版第1刷 |
| 発行元 | 平凡社 |
| 定価 | 3200 円(本体) |
| サイズ | A5 版 |
| ISBN | 978-4-582-46826-7 |
| その他 | 越谷市立図書館にて借りて読む |
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