巨椋 鴻之介:禁じられた遊び

作成日:2020-03-08
最終更新日:

概要

詰将棋界を代表する巨椋氏の詰将棋作品集。

感想

詰将棋もさることながら、解説の瓢々とした味わいが実によい。 芸術としての詰将棋の批評というのはかくあるべし、という思いがする。 そう、この本を買おうという気になったのは、 毎日新聞の若島正氏の書評があったからだ。

巨椋氏は本書で、「簡潔さ、単純さに対するこうした好みの、 真の原点は何だろうか。 それはおそらく数学である。 私は、大学の後半でフランス文学へと転じたが、 それまでの情熱は数学であった」と述べている (p.82、なお、原文の傍点を太字に変更)。 巨椋氏の作品はもとより、一流の詰将棋作品を観賞して美しさを感じるとき、 私も数学と比較したくなるのだ。 数学と詰将棋といえば、久留島喜内(久留島義太)の例がある。 そして、詰将棋作家として名高い若島正氏も、当初数学を専攻していたが、その後、英文学に転じたのだった。

誤植について

ブログ「あーうぃ だにぇっと」(77432090.at.webry.info) の「禁じられた遊び  巨椋鴻之介詰将棋作品集」でいくつか指摘されている。その補足をする。まず上記ブログで指摘のある

74ページ 上段参考図の詰め手順は1行4手分がそっくり抜けている。 に関して、その抜けている手順は「3三歩成 4三玉 2三と 同 玉」である。

また、私が見つけた誤植もある。p.113 本文右から12行目、「馬を5五へ起用した……4五飛と行くと」 は誤りで「4四飛と行くと」が正しい。

他にも一か所見つけたのだが、それがどこにあるか分からなくなってしまった(2020-06-02)。

書誌情報

書 名禁じられた遊び
著 者巨椋 鴻之介
発行日2008 年 4 月 30 日 初版第1刷発行
発行元毎日コミュニケーションズ
定 価3800円(本体)
サイズ339 ページ
ISBN978-4-8399-2823-0

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MARUYAMA Satosi