「まえがき」から引用する。
矢倉は将棋の基本である。(後略)
本書はいたるところで、著者の意気込みを感じる。p.21 から引用する。
2 回も長考すれば先の先まで考えているので、もう時間を使わなくてもいい。 これが私の将棋の特徴である。ノータイムで指すのは簡単で、誰にでもできることだ。 すぐ指すことが悪い訳ではないし考えればよいというものでもないが、 私達の世代は先の先まで考えてから指していた。
p.214 から引用する。
第 6 図の局面は、以前に考えたことがあった。対局中は夢中だし短時間の将棋だから忘れていたが、 残像が頭に残っていたことは間違いない。 これが私の言う長考の効果で、局面について、また大げさに言えば将棋そのものの真理に向き合っていればこそのことである。 水面下に見えない変化の蓄積がある。それがプロというものだろう。
本書の表題「一刀流」には、違和感があった。現在、大谷翔平をはじめとする「二刀流」がいろいろなところでいわれているからだ。 しかし、郷田の「一刀流」は、大谷の二刀流が登場する以前からこの名前があったと思う。「一刀両断」から来ていると思う。 では、郷田は大谷のことをどうみているのか。本書の p.284 で大谷翔平のことばが出ている。これは本書を読んでみてのお楽しみ。
書名 | 一刀流 郷田真隆矢倉勝局集 |
著者 | 郷田真隆 |
発行日 | 2023 年 3 月 31 日 初版第 1 刷 |
発行 | 日本将棋連盟 |
販売 | マイナビ出版 |
定価 | 2800 円(本体) |
サイズ | |
NDC | 796 |
ISBN | 978-4-8399-6820-5 |
その他 | 川口市立図書館で借りて読む |
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