副題はあなたの将棋が9割変わる!
将棋の手筋といえば、歩の使い方が多い。本書の手筋は私はすべて知っていたが、初めて聞いた名前があった。受けの手筋の「支えの歩」や「引きつけの歩」がそれである。 「支えの歩」とは、たとえば中飛車などで後手から5筋に殺到されて☖5七銀に打ち込まれたとき、先手が☗5八歩と打って受け止める、あの歩である。また、 「引きつけの歩」とは、たとえば後手の振り飛車が先手の舟囲いの居飛車に向って後手が☖8四香と☖9五桂で攻めてきたときに、☗8六歩☖同香☗8八歩として8七の地点を受け止める、 あの手筋である。
この引きつけの歩を見て思い出したのが、米長邦雄名人対羽生善治四冠(いずれも当時)の名人戦第6局で、羽生が見せた「歩のバック」である。 歩を後退させる新手筋として有名になったが、その源流はこのよく知られた「引きつけの歩」にあるのではないかと思った次第だ。
本書に戻れば、一つの手筋を「基本」と「応用」の二段階に、場合によっては「基本」と「応用」、「上級」の三段階にわたって解説しているので、おもしろい。 「基本」を身につけていても、なかなか「応用」までは至らない。弱いということなのだろう。
書名 | 手筋事典 |
著者 | 青野照市 |
発行日 | 2013 年 4 月 10 日 第 1 版版第 4 刷 |
発行元 | 創元社 |
定価 | 1200 円(本体) |
サイズ | A5 版 |
NDC | 796 |
ISBN | 978-4-422-75049-1 |
その他 | 越谷市立図書館で借りて読む |
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