詰将棋界を代表する上田氏の詰将棋作品集。
2002 年 1 月 26 日に購入した。翌日、 多少ゆっくりできる時間ができたので、久しぶりに盤と駒を取り出して手順を並べてみた。 上田氏の得意領域を鑑賞するには駒を並べる必要があると感じたのだった。 果たしてその通り、趣向が楽しい「モビール」、「オーロラ」、「モザイク」他、 標題のついて作品だけではあるが駒の動きを追ってみた。 上田氏の作品には「積分」のように、ヴァレーズの作品から触発されたものがある。 残念ながら、私はこのヴァレーズの作品を聴いていない。でも、 詰将棋を並べてリズムを感じることができる。題意に沿ったリズムに乗って、 自分の手が勝手に動くのだ。駒を取ったり、合駒したり、移動したりする。 驚いた。その後、手と頭が疲れた。
著者は、解説のあちこちで、グルーピング思考について語っている。 たとえば、第三十五番の解説では、次のようにいっている:
それは 10 手や 20 手、 あるいは 50 手位の手順をひとつの群として取り扱う方法である。 このひとつの群はそれ自体が連続したかたまりなので、 途中で切断できない。またその細部は分析できない。 いや分析してはいけないのである。 もし分析したならば、それは群としての機能を失ってしまう。
いま、流行りのことばでいえば、「ホリスティック」なのだろう。 (2008-06-29)
書 名 | 極光21 |
著 者 | 上田 吉一 |
発行日 | yyyy 年 mm 月 dd 日(初版発行) |
発行元 | 河出書房新社 |
定 価 | zzzz 円(本体) |
サイズ | xxx ページ |
ISBN | 978-4-309-xxxxx-0 |
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