問1 サービスレベル管理に関する次の記述を読んで,設問1-4に答えよ.
A 社は中堅の日用雑貨販売会社であり、インターネット上で個人消費者向けに商品カタログを公開している。 (中略)
Web サイトシステムの構成は図の通りである。
(図省略)
(説明省略)
B 社が提供する Web サイト運用サービスの概要は、次のとおりである。
なお、AP サーバのハードウェアに故障が発生した場合は、 必要に応じて暫定的に予備機を利用し、サービスを継続することができる。 本番機から予備機への切替えに要する時間は 60 分間で、 予備機から本番機への切戻しの際のサービス停止時間は 5 分間である。 (ア)予備機への切替えは、A 社のシステム担当者である K 部長又は L 課長の承認を得てから実施する。
Web サイトシステムの構築は予定どおり終了し、A 社は Web サイトシステムの利用開始日を1か月後とすることに決定した。
B 社は、Web サイト運用サービスの実施体制として、サービスマネージャに T 氏を任命した。
A 社と B 社は、Web サイト運用サービスの目標サービスレベルを取り決めて SLA として締結する予定である。
SLA 締結に先立って、B 社では、表に示すサービスレベルの管理項目を、サービス開始時点から計測することにした。
項番 | 概要 | 内容 | B 社の目標値 |
---|---|---|---|
1 | サービスの可用性 | Web サイトシステムの月間平均稼働率 | 99 % 以上 |
2 | 重大インシデント発生の連絡時間 | B 社が重大インシデントを検知してから、A 社に連絡するまでの時間 | 15 分以内 |
3 | 重大インシデントの回復時間 | B 社が重大インシデントを検知してから、障害が回復するまでの時間 | 90 分以内 |
(省略)
(省略)
(省略)
設問1 〔Web サイト運用サービスの概要〕について, 1, 2 に答えよ。
設問2 〔AP サーバの障害〕について, (1), (2)に答えよ。
設問3 〔HDD の冗長化〕について,1, 2に答えよ。
設問4 〔Web サイト運用サービスの実施状況〕で、A 社から B 社に対して SLA 締結の申入れがあった。 今後、SLA 締結に向けて必要となるプロセスを、40 字以内で述べよ。
わたしが残したメモは次のとおりである。とりあえず書きました、という非常に低いレベルである。
設問1 (1) 予定通り完了し、一ヶ月あるから。(2) 代理を立てる
設問2 (1) 連絡する。(2) 正常動作
設問3 (1) 話し合う。(2) 情報提出
設問4 PDCA
正答例は次の通りである。
設問1 (1) サービス実績から目標達成度合いを判断したいから。
この解答と(ここには載せていない)解説を読んで、何を私が理解していないかがわかってきた。 設問作成者の意図は、サービスレベルの適切性を判断するための材料として実績値が大事ですよ、 本番になったらすぐにデータを採取して、できるだけ長いスパンで把握してくださいよ、ということだろう。 私は、サービスレベル合意(SLA)を既に締結してしまったと誤解していた。表に掲げられた値はあくまで目標であり、 合意前の段階なのだ。
一方、私が書いた意図は何だったか。私の経験では、リリースされるシステムは、本番から順調に稼動することは(残念ながら)まれで、 稼動しながらの調整やバグフィックスがあったりして、そのときに採取した値をもとにサービスレベルとしてしまうと、 後で安定運用のときに参考にすることができない。 ところが、このシステムでは、予定通り終了し、そのうえ一ヶ月も余しているのだ。 だから、本番から順調に稼動するので、 安定運用の情報にしてもいいのだろう、 という意図だった。まあしかし、 私の書いた解答はここでは×だろう。
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