童謡のことなど

作成日:2012-01-09
最終更新日:

季刊「どうよう」

はじめに

知り合いに N さんという方がいた。本業のかたわら作曲を行ない、特に童謡を多く作る方だった。 その N さんから「こんど<どうよう>という雑誌ができるから、購読してみたら」と勧められた。 その通りに購読をはじめ、終刊まで続けた。以下、残っている巻について感想をつづる。

第1号は 2014年3月21日追記。

第1号:白秋生誕100年記念

巻頭に「からたちの花」、「ゆりかごのうた」、「この道」、「南の風の」、「砂山」が取り上げられている。 「南の風の」は知らなかった。いつか聞いてみたい。

第2号

昭和 60 年 7 月10 日に発行された本号では次のアンケート結果がある。以下、引用する。

アンケート質問内容

設問① 今、あなたの園〈クラス)の子どもたちに人気のある歌はどんな歌ですか。曲名(作詩・作曲者)を教えてください。

設問② あなたの園〔クラス〉で、みんなでよくうたうのは、どんな歌ですか。曲名(作詩・作曲者)を教えてください。

設問③ あなたが子どもにうたわせたいと思っている歌がありましたら、曲名(作詩・作曲者)を教えてください。

設問④ あなたご自身が大人としてお好きな童謡を記してください。

設問⑤ 保育者として、これから、どんな童謡が欲しいと思いますか。できるだけ具体的にお書きください。

今回の調査対量は、本誌「どうよう」の会員名期中の幼稚園保育所の先生方から選ばせてもらった。 保育の現場に携わり、しかも同様に対する関心度の高い人々という条件に最も適切な人々との考えからである。 幸い会員の方々には園の先生方が多く、その中力ら180名を無作詞に抽出し、郵送により回答を求めた。 回答数 84 、47 % の回答率であるが、 その回答内容の多様性は、今日の園の子どもたちと同様の関係の全体の傾向を示しているものと考えられる。

なお、集計にあたっての数字は、①から④までのそれぞれの設問別に、 一度でも出てきた歌があればそれを回答数 1 と数えた。 各設問につき五曲ずつの回答を求めたが、二曲あるいは三曲のみみしかあげていないものも見られた。 回答数の合計が各設問で異なるのはそのためである。

①の回答、集計結果は次の通りだった。

  1. コイノボリ
  2. チューリップ
  3. いぬのおまわりさん
  4. おかあさん
  5. せんせいとおともだち
  6. ぞうさん
  7. ことりのうた
  8. 森のくまさん
  9. アイアイ
  10. おもちゃのチャチャチャ

実際には、チューリップといぬのおまわりさんは同数で2位、 先生とおともだちとぞうさんは同数で5位、ことりのうたと森のくまさんも同数で7位だった。

コイノボリとあるのは「♪屋根より高い こいのぼり…」のことであろう (同名の作品に「甍の波と雲の波…で始まるものもあるが、こちらは歌詞が難しいので園では歌わせていないと私は思う)。

私が驚いたのは、これらの曲は古いのではないかと思ったからだ。当時の記事にも、そのような解説がある。

もう一つ驚いたことは、一位と二位を占めた「コイノボリ」と「チューリップ」の作詞者が、どちらも同じ「近藤宮子」さんであることだった。 さらに続けて残念な話があるのだが、このことについては、「近藤宮子」あるいは「日本教育音楽協会」をキーワードとして検索されたい (以上 2016-03-27) 。

第3号:「森の熊さん」の歌詞

p.21 に「会員からの提言」というコラムがある。

○○さん(注:紙面では実名)から次のような主旨のお手紙をいただきました。
『二番の歌詞が熊さんのいうことにゃとなっているが、私が 15 年位前に覚えたものは小鳥のいうことにゃだった。 鬼ごっこではあるまいし、熊が自分で逃げろといっておいて追いかけるのは不自然。詩の内容からいって小鳥であるべきと思うのに、 どの曲集もとなっているのは本当に残念です。 (中略)

○○さんはみなさんの協力を得てぜひ、熊を小鳥に変えた元の形で子どもたちにうたわせたいと訴えていらっしゃいます。

詩の内容について言われれば確かに変である(そういえば、おおブレネリも別のおかしさがあった)。 そこでインターネットで調べてみると、もとはアメリカの詩であること、その元詩も、逃げるように言ったのは熊であることがわかった。 逃げろといったのは小鳥だった、と教わったと主張している人はいる。 また、あえて教えたのは熊が正しいという仮定のもとでいろいろ深読みしてあるページもあって面白い。

私は、まあ童謡なんだし、どうでもいいのではないか、と思う。

第4号

第5号

第6号

第7号

ドレミファブック

レコードと楽譜

いつのことだろうか、世界文化社というところからドレミファブックというレコードと楽譜つきの本が発売されていた。 私は親にねだって買ってもらった。 ついてきたレコードで童謡を覚え、本の楽譜でオルガンを練習した。 「あめふりくまのこ」、「アイスクリームのうた」、 「月火水木金土日の うた」などなど。曲の一覧は、 ドレミファブック (www.jade.dti.ne.jp) のページにある。

私はたしか 11 巻まで買っていたが、もういらないといったのか、12 巻以降は覚えていない。 驚いたことに、つれあいの実家には 20 巻全部のレコードがあった。本は見当たらなかったが、 ひょっとしたら実家の納屋にはいっているのかもしれない。

改訂履歴

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MARUYAMA Satosi