理想のピアニスト(第16回、園田高弘のこと) |
作成日:2004-09-20 最終更新日: |
園田高弘は、日本を代表するピアニストである。 私は一度も実演を聞けなかった。返すがえすも残念だ。
私が住んでいる越谷では、年に数回クラシックのコンサートがある。 あるとき、園田高弘が来ることになった。行きたかったのだが、 私が所属していた合唱団の合宿が重なり、泣く泣くあきらめた。 そして、越谷のコンサートが行われる日の数日前、亡くなった。
その風貌から、 園田さんのレパートリーはドイツやオーストリアのものだと思っていた。 少なくとも、越谷でのコンサートはそのようなものだったと記憶している。 ところが、Wikipedia を見るかぎり、 園田さんのレパートリーは膨大であった。転記すると次の通り。
バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、 ショパン、リスト、フランク、ブラームス、サン=サーンス、 ムソルグスキー、チャイコフスキー、アルベニス、ドビュッシー、 ブゾーニ、グラズノフ、スクリャービン、ラフマニノフ、ラヴェル、 レーガー、シェーンベルク、ベルク、バルトーク、ストラヴィンスキー、 プロコフィエフ、ヒンデミット、ガーシュウィン、プーランク、 コープランド、バーバー、バーンスタイン、メシアン、フルトヴェングラー
これは凄い。この中にない作曲家で私が取り上げた作曲家は、 ハイドンやフォーレぐらいしかいない。 園田さんはハイドンもフォーレも録音を残している (フォーレは即興曲のNo.2とNo.5)。 よって私の負けである。
私が園田さんの演奏を聞いたのは、テレビからである。 スタジオ録音だったのか、ライブかはわからない。 覚えているのは2曲で、シューベルトのピアノソナタイ長調D664と、 ファリャの「スペインの庭の夜」である。 シューベルトは幸福感溢れる演奏で、 思わず次の日から私も同じ曲を練習してしまったほどだ。 ファリャはとんでもない曲で、そのパワーには圧倒された。 こちらはそのあと、全くどこでも耳にする機会がないのが残念だ。 そのうち、CD を手に入れてみよう。
ということで、園田高弘もそのレパートリーの広さと質の高さで、 理想のピアニストである。(2008-04-08)
追記:そういえば、まだ園田高弘の CD は手に入れていないのだった。その代わりに、Youtube で園田によるドビュッシーの 12 の練習曲から 「4度のための」を聴いた。よい演奏だ。数年前に亡くなった S くんもこの曲を弾いたことがあったことを思い出した。(2016-03-26)
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