「はじめに」から引用する: 〈そこで,この限界内での,ベクトル解析の「現代的」な理念を明らかにしよう,というのがこの本の目的である.〉 "この限界"が何を意味するかは、本書を見てほしい。
教科書風に書かれた本であるが、ちょっと変わったところがある。
まず、索引がない。教科書であれば、索引が必要だろう。 ただ、本当に勉強するのならば、索引を自分で作るぐらいのことをせよ、ということなのだろうか。
また、参考文献がない。書かれている程度のことは、この本だけで大丈夫だ、ということなのだろう。
本書の目次を見てみると、第 1 章 多変数の微分の最後に、11.多様体と、12. 多様体上の関数 という節がある。 数学者の本だから、ベクトル解析の本で多様体にまで触れているのは当然のことかもしれない。ただ、ふつう多様体の定義では対象となる集合にハウスドルフ性を仮定するのに対し、 本書ではハウスドルフ性に関して言及されていない。そのあたりが好ましいと私は思う。
本書に対して「誤植が多い」という評を見かけたことがある。計算をしていないのでなんともいえない。 私が見つけた誤植は次の通り。
| ページ・行 | 誤 | 正 |
|---|---|---|
| p.171 本文7行目 | `int_f(color(red)(b))^f(color(red)(a)) f(y)dy = int_a^b f(y(x)) y'(x)dx` | `int_f(a)^f(b) f(y)dy = int_a^b f(y(x)) y'(x)dx` |
| p.201 本文10行目 | `rho d color(red)(varphi) d varphi` | `rho d rho d varphi` |
| p.264 本文4行目から5行目 | ……残りのB)とE)が,…… | ……残りのB)とD)が,…… |
数式は ASCIIMath で記述し、MathJax で表示している。
| 書名 | ベクトル解析 |
| 著者 | 森 毅 |
| 発行日 | 2011 年 5 月 25 日 第 2 刷発行 |
| 発行元 | 筑摩書房 |
| 定価 | 1300円(本体) |
| サイズ | 文庫版 |
| ISBN | 978-4-480-09252-6 |
| NDC | 414.7 |
| その他 | 越谷市立図書館にて借りて読む |