伊藤清:確率論

2026-04-24

概要

「はじめに」から引用する。

(前略)現代の確率論は,測度論の言葉で叙述することによって論理的には完全に解析学の一分野となっている. しかし確率論を真に楽しむためには,確率現象に対する直感的理解を背景として確率論の発展方向を見きわめなければならない.(後略)

感想

私のような、頭が弱い者にはわからない。

「第1章 有限試行」のp.5 から引用する

事象は集合であらわされるといったが,ときには見本点 `omega` に関する条件 `alpha(omega)` であらわされることがある. 条件 `alpha(omega)` を成立されるような見本点 `omega` が,試行の結果として出現することを `alpha` がおこるという.この意味で条件 `alpha(omega)` も事象という.

`A = {omega | alpha(omega)}` とおくと,`alpha` がおこることと `A` がおこることとは同等である.したがって `alpha` のおこる確率は `P{omega | alpha(omega)}` に等しい.

`alpha` の否定条件を `alpha^フ` であらわす.`alpha^フ` は `alpha` の余事象である.'`alpha` または `beta`' という条件を `alpha vv beta` であらわす.

最後の段落の `alpha` の否定条件を `alpha^フ` であらわす. の、`alpha` の右肩に乗っている フ の字のような記号は初めて見た。MathJax では見つからないので、 仕方なくカタカナのフの字で代用しているが、これはいったいどういう記号なのだろう。

なお、見本点という用語が出ているが、現在は「標本点」というのが普通だと思う。ただ、sample = サンプル = 見本、という図式が成り立つから、 sample point も「見本点」というのは感じが出ている。

「第4章 独立確率変数の和」の pp.221-222 から引用する

例題4.8 三角形の内角 `theta_1, theta_2, theta_3` を同じ測定法で無関係に計って `X_1, X_2, X_3` を得た. `theta_1, theta_2, theta_3` を評価する最良の式(`X_1, X_2, X_3` の1次式)を求めよ.

`theta_1, theta_2, theta_3` を評価する最良な評価式をそれぞれ `bar X_1, bar X_2,bar X_3,` としよう。これって、`X_1 = bar X_1, X_2 = bar X_2, X_3 = bar X_3` ではないのか、 と思ったバカは私だけだろう。 実際には、ユークリッド幾何学(平面幾何の五つの公準)を仮定すれば、 `bar X_1 + barX_2 + barX_3 = pi` が成り立っている必要がある(三角形の内角の和は2直角)。だから、この制約を活用すればこれよりよい評価式がある。 導出過程は本書を見てもらうことにして、結果だけを抜き出すと次の式となる。

`bar X_1 = pi/3 + 2/3 X_1 - 1/3 X_2 - 1/3 X_3`

`bar X_2 = pi/3 - 1/3 X_1 + 2/3 X_2 - 1/3 X_3`

`bar X_3 = pi/3 - 1/3 X_1 - 1/3 X_2 + 2/3 X_3`

数式記述

数式記述は ASCIIMathML を、 数式表現は MathJax を用いている。

書誌情報

書名確率論
著者伊藤清
発行日1991 年 5 月 30 日(第1刷)
発行元岩波書店
定価3107 円(本体)
サイズ
ISBN4-00-007816-X
その他岩波基礎数学選書、川口市立図書館で借りて読む