日本応用数理学会誌2006年9月号 |
作成日:2006-11-19 最終更新日: |
グラフ上の2頂点間の最短経路を求めるアルゴリズムに、ダイクストラ法という有名な方法がある。 この最短経路をたどる経路を、グラフ上ではなくアナログ的な連続領域に変更したらどうなるか。
この連続領域が三角形のメッシュに分割されているときには、高速マーチング法という、ダイクストラ法の連続版ともいえる解法がある。 関連して、ホイヘンスの原理とか、アイコナール方程式というのがあるが、よく知らない。
この学会誌では、アナログ的な連続領域をさらに拡張させている。それは各々の点に流れ(方向と強さ)が規定されているとき、 時刻を最短とする経路である。
学会誌ではいろいろ式が書いてあるが、よくわからない。
珍しく10編以上の論文が掲載されている。 私が興味を持ったものの論文は、誤植が多かったり文体が拙かったりで、 少しがっかりである。 たとえば、議員定数配分方法についての論文は、 重要な単語である「パラドックス」がしばしば「パラドック」 と誤って表記されていて興覚めだ。
ただ、議員定数配分方法については、 計算方法を実装して、自分で考えてみることができるのが嬉しい。 JavaScript のページに、 議員定数配分方法 という表題でプログラムを記載した。参考にしてほしい。 一つ論文のないようについて付け加えれば、 配分方法として各種の目的関数の最適化(最大化または最小化)という点で、 Kullback-Leibler情報量(カルバック-ライブラーの情報量、 単にカルバック情報量ともいう)の最小化、という観点でも 捉えられるのではないかと思う。
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