はしがきより引用する。
そこで,本書では,位相的性質をコンパクト性と連結性に絞り, これらを距離空間と位相空間の両方で,重複を厭わずに,書き込むことにした.
なかなか位相空間を学ぶのは大変である。抽象的定義が続き、読むのが大変になってしまう。 それでも、数学を究める上での基礎訓練としては必要なのだろう。私にはとても続かない。
本書の 2 ページでは全称記号 `AA` と存在記号 `EE` の説明がある。 これはいい。ところが、p.17 の次の定義を見て文字通りびっくりする:
定理 1.13(実数の加法・乗法に関する基本命題)`RR` においては加法 + と乗法 ・ の2つの演算が定義され以下の性質をみたす;`x, y, z in RR` について,
(1. 2. 3. は省略)
4.(加法逆元の存在)`AAx in RR ( EE! y in RR : x + y = y + x = 0)`
この `y` を `-x` と記す.
インターネットで調べて、`EE!` というのは「一意的に存在」という意味だとわかった。
p.53 の 2.5 距離空間のコンパクト性で、いろいろな記号が定義されている。
`x : NN -> A` を集合 `A` の点列とする.`iota : NN -> NN` を順序を保つ写像とする; すなわち,`h, k in NN, h lt k` ならば,`iota(h) lt iota(k)` が成り立つとする. このとき,合成写像 `x @ iota : NN -> A` を点列 `x` の部分列(subsequence) という. この部分列を,\( \lgroup \) `x_(iota(i)) ` \( \rgroup \) `{::}_(i in NN)`, または部分列 \( \lgroup \) `x_(iota(i))` \( \rgroup \) などで示す.
ギリシャ文字のイオタ(`iota`)を久しぶりに見た。こういうところで使うとは驚いた。 それに、数列を表すのに亀甲カッコ \( \lgroup \rgroup \) を使うのも珍しい。 ASCIIMath の記法では出なかったのでここだけ LaTeX の記法をこっそり使っている。 なぜここでこんな引用をしたかというと、後の証明で記法がわからずに往生するからだ。 たとえば、p.57 の例題 2.9 「閉区間 `[a,b]` は点列コンパクトである」の証明には、 イオタと部分列の亀甲カッコが使われている。なお、このここの証明で、 実数の連続性に関する公理が引用されている。これは pp.22-23 にあり、 ここで使われるのは公理[Ⅳ]カントールの区間縮小定理である。
このページの数式は MathJax で記述している。
| 書名 | 位相入門 |
| 著者 | 鈴木 晋一 |
| 発行日 | 2004 年 9 月 25 日(初版) |
| 発行元 | サイエンス社 |
| 定価 | 1600 円(本体) |
| サイズ | A5版 153 ページ |
| ISBN | 4-7819-1074-2 |
| その他 | 越谷市立図書館にて借りて読む |