概要
カバー裏から引用する
(前略)本書は数学史的な価値が高いばかりではなく,現代数学の根底にあるアイデアを習得するのにも最適である. さらに,本書で展開される複雑な数式は,コンピュータの数式処理システムへの恰好な材料を提供している. (後略)
感想
難しい。要再読である。ただ、再読しても意味はわからないままだと思う。本書では図形がほとんど出てこないのがつらい。 せめて右のような図でも出してほしい。これは正 20 面体をある角度から見た正面図で、正五角形が見えるようになっている。
群論
1.2 節の「群論の予備概念」を見てみよう。p.6 では次のような記述がある。
初めに,二つの作用 `S` と `T` の積を \[ ST \] で表すことにする.これは初めに `S` を次に `T` を作用させる作用と理解する.(後略)
本によってはこの順序が逆になっている、つまり `ST` が 初めに `T` を、次に `S` を作用させる、と定義している本もあるから注意しないといけない。
引用を続ける。
一般に \[ STS^{-1} = T' \] とおく.(ここで `S^(-1)` は`S` と合成すると 1,すなわち,恒等作用になる作用を表す.) もし `S` と `T` が可換でなければ,`T` は `T` と異なる.このとき,`T'` は `T` から変換によって生じるといい,`T` と `T'` は主群の中で共役(gleichberechtigt)であるという. (後略)
原著はドイツ語で書かれているので、初出の用語に原語が付されていれば、この引用が一例であるが原語はすべてドイツ語である。なお、すべての用語でドイツ語が付されているわけではなくて、 たとえば p.6 で出てくる位数とか部分群などにはドイツ語が付されていない。ちなみに、作用という用語は定義なしに用いられている。
正20面体
p.15 からは「§1.8 正20面体群」の節が始まる。以下引用する。
正 20 面体の研究のために、12 個の正 20 面体の頂点に加えて,すでに述べたように,(面の中心に対応する)正 12 面体の 20 個の頂点が球面上に投影され, さらに正 20 面体の辺の中心に対応する 30 個の点も投影されているとする。
ここはいい。
初めに,正 20 面体の回転の個数はちょうど 60 であることを確かめる.実際,明らかに共役な 12 個の正 20 面体の頂点は 5 個の回転で動かない.
頂点が共役というのはどういうことだろう。p.10 を見てみると、次のように記述されている。
初めに,この配置で,対応する群の作用によって互いに写り合うような図形を共役という.
この配置とはなにか。結局少しずつ読んでいくしかないようだ。
書誌情報
| 書名 | 正20面体と5次方程式 |
| 著者 | F. クライン |
| 訳者 | 関口次郎/前田博信 |
| 発行日 | 2005 年 10 月 11 日 改訂新版 |
| 発行元 | シュプリンガー・フェアラーク東京 |
| 定価 | 4200 円(本体) |
| サイズ | A5 版 ページ |
| ISBN | 4-431-71118-X |
| NDC | |
| 備考 | 川口市立図書館で借りて読む |