真空はあらゆる産業の基盤技術であるにもかかわらず、日常的には認知されていない。本書では真空の機能を分類し、その仕事を紹介する。
真空の機能として次の5つを挙げている。なお、私の趣味で文言は変えている。
1. はもっとも身近なものだろう。吸盤といわれる吸着パッドがいい例だ。
2. は魔法瓶がある。
3. は食品にも使われる。
4. では電球などに触れられている。なお、単純に真空にしただけでは球が壊れてしまうので、アルゴンや窒素などを封入している。
ここに紹介されていない簡単なものでは、ワインの酸化を遅らせる道具がある。一度ワインのコルクをあけてそのままにするとワインの酸化が進むので、
一度空気を引いてからゴム栓をするという道具が市販されている。
5. 真空では放電が起きやすいということは、より多くの物理現象が実現できるということでもある。
私がかつて携わっていた分野でもその薄膜の制御のために超高真空を実現しなければいけなかった。
最後に応用分野に書かれているのは、カミオカンデとスーパーカミオカンデである。カミオカンデで重要な役割を果たしているのは光電子増倍管であり、
専門家はフォトマルチプライアー、略してフォトマルと呼ばれている装置で、光エネルギーを電気エネルギーに変える役割を果たす。
この管は真空技術によって作られている。
書名 | 真空の科学 |
著者 | 木ノ切 恭治 |
発行日 | 2013 年 1 月 30 日 |
発行所 | 日刊工業新聞社 |
定価 | 1500円(本体) |
サイズ | ?版 |
ISBN | 978-4-526-07004-4 |
その他 | 越谷市立図書館で借りて読む |
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