「はじめに」から引用する。
本書は「はじめての物理化学」である。本書の特色は二つある。一つは,最新の発見,知識を盛り込んでいるということである。 もう一つは,新しい編集理念によって編纂されているということである。(後略)
物理化学の導入としては、穏当な内容だと思う。
「8 酸・塩基と酸化・還元」では末尾にアルカリとアランビックについての説明がある。アランビックについては初めて知った。
本書ではラン引きとあり、Wikipedia ではランビキの名前で説明されている。そういえば、フランソワ・ラブレーの第二之書パンタグリュエル物語に、
鼻がひどく伸びてきて、
「12 環境と化学」で取り上げられているなかに、有用でこわい分子がある。その一つア PCB である。むかし聞いた話がある。 工場の安全査察で、偉い人が倉庫の隅に PCB が積んであったのを見つけた。しかし、それを書き留めてしまったら、処理に責任を持たなければいけない。 その偉い人は、指摘せずに記録にも残さなかったという。その工場の PCB はどうなったのだろうか。ちなみに、本書では PCB の構造式は p.187 にあるが、 PCB がポリ塩化ビフェニルの略であることには言及されていない。また、p.187 には表 12・3 としてダイオキシンのがあるが、ダイオキシンの欄に CDD という項がある。 CDD とは塩化ジベンゾ-p-ジオキシンのことである。
書名 | はじめての物理化学 |
著者 | 齋藤勝裕 |
発行日 | 2005 年 11 月 17 日 初版発行 |
発行元 | 培風館 |
定価 | 2100 円(本体) |
サイズ | A5 判 ページ |
ISBN | 4-563-04602-7 |
備考 | 川口市立図書館で借りて読む |
まりんきょ学問所 > 読んだ本の記録 > 齋藤勝裕: はじめての物理化学