齋藤勝裕:はじめての物理化学

作成日 : 2024-06-28
最終更新日 :

概要

「はじめに」から引用する。

本書は「はじめての物理化学」である。本書の特色は二つある。一つは,最新の発見,知識を盛り込んでいるということである。 もう一つは,新しい編集理念によって編纂されているということである。(後略)

感想

物理化学の導入としては、穏当な内容だと思う。

「8 酸・塩基と酸化・還元」では末尾にアルカリとアランビックについての説明がある。アランビックについては初めて知った。 本書ではラン引きとあり、Wikipedia ではランビキの名前で説明されている。そういえば、フランソワ・ラブレーの第二之書パンタグリュエル物語に、 鼻がひどく伸びてきて、蒸溜器らんびきの雁首のようになり

「12 環境と化学」で取り上げられているなかに、有用でこわい分子がある。その一つア PCB である。むかし聞いた話がある。 工場の安全査察で、偉い人が倉庫の隅に PCB が積んであったのを見つけた。しかし、それを書き留めてしまったら、処理に責任を持たなければいけない。 その偉い人は、指摘せずに記録にも残さなかったという。その工場の PCB はどうなったのだろうか。ちなみに、本書では PCB の構造式は p.187 にあるが、 PCB がポリ塩化ビフェニルの略であることには言及されていない。また、p.187 には表 12・3 としてダイオキシンのがあるが、ダイオキシンの欄に CDD という項がある。 CDD とは塩化ジベンゾ-p-ジオキシンのことである。

書誌情報

書名 はじめての物理化学
著者 齋藤勝裕
発行日 2005 年 11 月 17 日 初版発行
発行元 培風館
定価 2100 円(本体)
サイズ A5 判 ページ
ISBN 4-563-04602-7
備考 川口市立図書館で借りて読む

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MARUYAMA Satosi