「はじめに」から引用する:
量子化学を学ぶと,高校の化学のなぞ,例えば結合はなぜ分極するのか,なぜ結合するのか,なぜ電子核には定員があるのか,などという謎の答えが見つかるでしょう. また,皆さんのコンピュータで量子化学の理論を使った計算ができる,ということもわかるでしょう.とても楽しみですね.
まだ私が小さかったころ、百科事典の「原子」の項を見ていたころを思い出した。電子の軌道を、今にして思えば電子雲の図を見ていたのだが、 そのときにいろいろな形の電子雲があって、そこに 2p だとか 2s だとかなぞの文字が載っていて、不思議を通り越して不気味だった。
量子化学や量子力学を聞くと、そのような電子雲のなぞを思い出す。今は量子力学も量子化学もまったくわからないのだが、せめて本書の p.50 にあるシュレディンガー方程式を書いておきたい。
シュレディンガーは,このような物質波も波の運動方程式 3.19 式を満たすはずだ,と考え,電子や原子,分子などの粒子の運動方程式として以下のような式を導きました.
`-ℏ^2/(2m) d^2/(dx^2) Psi(x) + V(x)Psi(x) = E Psi(x)`
私が以前いた職場では、はるか昔化学系のパッケージソフトを扱っていた。その担当者たちが発する量子化学のことばはさっぱりわからなかったが、
アブイニシオということばは覚えている。このことばは本書の p.232 でアブイニシオ法
として出てくる。また p.234 では代表的な量子化学計算ソフトに Gaussian と GAMESS があります.
という一文もある。担当者たちはガウシアンということばもしょっちゅう発していた(この担当者たちが扱っていたソフトは Gaussian ではなかったが)。
このページの数式は MathJax で記述している。
書名 | これからはじめる量子化学 |
著者 | 辻和秀 |
発行日 | 平成 25 年(2003 年) 8 月 25 日 第1版第1刷 |
発行元 | オーム社 |
定価 | 2500 円(本体) |
サイズ | A5版 243 ページ |
ISBN | 978-4-274-21426-4 |
その他 | 川口市立図書館にて借りて読む |
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