概要
「はじめに」で、著者がトルコへの旅に出た経緯が書かれている。以下引用する:本書はそのような経緯で旅に出て、
探し出した各地方の郷土料理や食材の数々。その他いくつかの民族の料理、更には地方で見た風物詩などを載せています。
トルコ料理ひとこと紹介
p.008 に「トルコ料理ひとこと紹介」が載っている。以下少し手を加えて引用する。
- ブルグル
- bulgur
- 小麦をゆでたものを乾燥させて挽き割りにしたもの
- ヤルマ
- ドヴメ
- ゲンディメ
- 生の小麦を挽き割りにしたもの
- カヴルマ
- 肉を脂肪といっしょに炒め煮したもの。保存食にもなる。
- カイマック
- 乳を沸騰させて冷ました後に表面にたまる乳脂肪分
- チョケレッキ
- ヨーグルトを沸騰させて凝固させた乳製品
- ロル
- 乳を沸騰させてレモン汁やヨーグルトで凝固させた乳製品
- ベクメズ
- ブドウの果汁や果実のゆで汁を煮詰めたシロップ
- ケバブ
- 肉、魚、野菜の焼き物料理の総称。肉に関しては煮物も含む
- キョフテ
- 挽き肉やブルグルなどを練って形を作り調理した料理
- マントゥ
- 小麦粉の生地で具材を包んで調理したトルコ式ラビオリ
- ユフカ
- 小麦粉の生地を薄く広げ、鉄板で焼いたパン
- ドルマ
- 野菜や果物をくり抜いて、挽き肉や米を詰めて調理した料理
- サルマ
- 挽き肉や米などを葉物で捲いて調理した料理
- チョルパ
- スープの総称
- ティリット
- 固くなったパンをスープストックなどで柔らかくした料理
感想
この本で紹介されている料理はどれもうまそうだ。達意の文を読むと、著者のトルコ料理に対する愛情の強さがよくわかる。著者が「おいしくない」と書いているトルコ料理はわずかだ。
p.338 で紹介されているガブラ(麦粥)がそうだ。シュルタン(バターを作ったあとのヨーグルトの残りを乾燥させたもの)を流し込みバターを加えていただく。著者は、
麦粥の味付けも塩だけだし、シュルタンがたっぷりかかっているものだから、決しておいしいとはいえなかった。
と正直に語っている。しかし、話の流れは肯定的だ。ぜひ本書を読んでもらいたい。
写真もいい。オールカラーだけあって、どの料理を見ても食べたくなってしまう。
例外はシュルダンで、pp.266-267 で紹介されている。p.266 にある写真を見ると、確かに、期待に反して見た目が悪く、決して食欲をそそらないであろう物がたくさん煮てあった。
と著者が思うのもうなずける。
ではこの物は何かというと、この正体は羊の第四の胃で、腸との境目に当たる部位だそうだ。
と本書で説明されている。第四の胃がある動物が牛🐄以外にもあるとは、恥ずかしながら知らなかった。
反芻動物の中の反芻亜目に属するウシ、ヤギ、ヒツジなどは4つの胃があるということをインターネットで調べて初めて知った。
これは料理でなく具材なのだが、pp.328-329 に『ヤギのケッレ(頭)とパチャ(脚)を売り歩く男』というコラムがある。p.328 には『ヤギの頭と足を売り歩く男性』の写真がある。 男性が右手に持っているのは写真だけではよくわからないが、全体に黒いがまだらに薄茶色の場所があるごつごつした物体である。これが焼いたヤギなのか。これには驚いた。 p.329 には『ヤギの頭を買っていく女性』の写真がある。右手にヤギの頭を持つ女性が笑っていて、これにもびっくりした。でも、おいしければいいのだろうな。
誤植
p.077 の写真のキャプションでスライスは機会を使わず、職人の手によっておこなわれる
とあるが、
正しくは《スライスは機械を使わず、職人の手によっておこなわれる》である。なお、次の 078 ページの上から二行目は、
スライスも機械は使わない。
と正しく表記されている。
p.266 の後から6行目、屋台が数件並んでいて、
とあるが、正しくは《屋台が数軒並んでいて、》だろう。
本書の書評・関連サイトへのリンク
- 『食で巡るトルコ/岡崎伸也』読了(note.com)
- 山も海も、広いトルコが育む多彩な郷土料理…岡崎伸也さんトーク①(肉料理編)(note.com)
トルコ料理・クルド料理レストランリンク
AZEL Restaurant & Bar
SKY CAFE & RESTAURANT
書誌情報
| 書名 | 食で巡るトルコ |
| 著者 | 岡崎伸也 |
| 発売日 | 2023 年 10 月 21 日 初版 |
| 発売元 | 阿佐ヶ谷書院 |
| 定価 | 2800 円 (税別) |
| サイズ | p ; cm |
| ISBN | 978-4-9907986-9-7 |
| NDC |