綱川 秀夫:地磁気逆転X年

作成日:2019-05-04
最終更新日:

概要

「はじめに」では、次のことをわかってもらいたいと思い執筆しました、とある。

  1. 地球・惑星の磁場は 1000 年から 10 億年という時間スケールで大きく変わる。
  2. 地球・惑星の磁場の成因や、その 46 億年間の変動を研究している科学がある。

蛇足だが、地球・惑星が誕生したのは 46 億年前と言われている。

チバニアン

2017 年から 2018 年、地磁気逆転ということばがいっとき世間をにぎわせたことがある。それとともに、 千葉県のある場所が、地磁気逆転を示すデータが得られた堆積岩が得られたところとして脚光を浴びた。 そして、地磁気逆転があった時期を起点とする地質学的な期間をチバニアンとして認定してもらおうという動きがある。

なお、このチバニアンに関してはデータの信ぴょう性や適用範囲に関して日本でも反対意見があることを申し添えておく。

本書には、チバニアンのことは書かれていない。2002 年の出版だからである。とはいえ、 p.60 や、pp.75-76 に房総半島のデータとか、房総半島の堆積岩などの名前が出てくる。 おそらくこのチバニアンのもとになったところではないか。あくまで憶測だが。

たまたま私はチバニアンがニュースになる前、 地磁気逆転のことは本書を買って知っていた。なぜ本書を買ったかというと、2014 年ごろだろうか、 自宅近くの本屋に立ち寄って買いたい本がないか探したところ、理系の本がこれしかなかった、 というのは言い過ぎだが興味を引くような本がこれしかなかったからである。

まあ、どんな本でも買っておくといいことがある。

かっこいいことば

p.12 では、地球惑星科学を研究するためには、物理、化学、数学などをしっかり勉強すすればなんとかなる、地学を勉強していれば よりはっきりと自分の興味を確かめることができるし、……ということばがある。これを受けて先生は p.13 でこういっている。

たくさんの勉強よりもっと大変なのは、自分で考えていくことができるかどうかだね。 大学に来たら、高校とちがって定期試験ができればOKというわけではない。 レポート課題もたくさん出るようになるし、 試験も受験みたいな問題は減って、記述問題がぐっと多くなる。(中略) それほど訓練をしないと、自分で考えることはなかなか身につかないということだね」

耳が痛い。

書 名地磁気逆転X年
著 者綱川 秀夫
発行日2002年 5 月 20 日 第 1 刷
発行元岩波書店
定 価
サイズp, 18cm
ISBN4-00-500397-4
NDC 450:地球科学
その他岩波ジュニア新書

まりんきょ学問所読んだ本の記録綱川 秀夫:地磁気逆転X年


MARUYAMA Satosi