副題は:<「そういえばあったね!」を探検する>。
「はしがき」を見て、笑ってしまった。本書の著者が、桂米朝の落語を引用したところである。 原文は本書を見てほしいが、その落語では長屋が描写されている。ざっくりいうと、< この長屋は(店子が)家賃を払わないので、長屋が十軒しかないのに(大家は)せんち場(便所)を十五こしらえた、 通りがかりの人でもみなやってくれたら(肥が銭の)足しにになる>という筋だ。 ではなぜ笑ってしまったか。この笑いは実は悲しい。
ある人からこんな話を聞いた。その人の会社は都心の大きなビルにあって、1 つの階にゆうに 500 人は入る事務所がある。 ところが、そこにあるトイレの大便所はわずか 5 つであった。 事務所衛生基準規則によれば、男性用大便所の数は 60 人あたり 1 つであるから基準を満たしていない。 従業員から苦情が寄せられていたが、会社側は苦情を握りつぶしていたという。 もちろん、著者は言いたいのはそういうことではない。 ウグイスのフンが洗顔に使われていたことの話のマクラに、米朝の落語が使われていたので、 私もつい関係ないことを書いてしまった。すぐに大事なことを付け加えておくが、 本書によれば、洗顔料として使われているのは、実はウグイスのフンではなくソウシチョウ(想思鳥)である、 ということである。
書 名 | 昭和なつかし博物学 |
著 者 | 周達生 |
発行日 | 年 月 |
発行元 | 平凡社 |
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その他 | 越谷市立図書館(電子図書館)で借りて読む |
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